改正道路交通法の施行により、2023年4月1日から年齢を問わず自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。
努力義務化に法的拘束力はなく違反しても罰則が科せられることはありません。
しかし、ヘルメットの着用は転倒事故などの際に頭部を保護する大切な防具です。「自転車に乗るときにヘルメットを着用すること」を習慣づけることは、命を守るためにも重要なことだといえるでしょう。
では、施行から一年以上経過した今、実際に自転車に乗るときにヘルメットを着用している人はどのくらいいるのでしょうか。
全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)は、9月21日~30日の「令和6年秋の全国交通安全運動」に合わせ、2万2,400人を対象に、自転車の交通ルールや自転車のヘルメット着用に関する調査を実施しました。
自転車乗車時のヘルメット着用は4人に1人
当該調査は、自転車利用者と自転車非利用者(歩行者・自動車ドライバーなど)が対象者です。
そのうち、自転車を利用している男女1万1,200人に自転車乗車時のヘルメット着用について聞いたところ、「常に」または「おおむね」着用していると答えた人の合計は、全体のわずか26.2%でした。
着用率を性別・年代ごとに調べると、一番高かったのは20代男性で、着用率は37.7%となっています。一方、着用率が最も低いのは50代女性の13.6%という結果でした。
このように着用率が低いことが判明しましたが、同様にヘルメット着用の努力義務化の認知も低いのでしょうか。
自転車利用者と非利用者全員に、努力義務化についての認知度について聞いたところ、いずれの世代も80%以上が「知っている」と回答。
また、その理解度を調べるために、選択肢を設けて法令の解釈を聞いた設問では、正しい解釈を選択した人が73.1%と高い水準で理解されていることも判明しました。
着用率に対して、認知・理解度が高いことが明らかとなりましたが、なぜこのような乖離が発生してしまうのでしょうか。
ヘルメットを着けない理由はなぜ?
既出の質問で、「自転車乗車中にヘルメットを着用しない」と回答した人にその理由を当てはまる度合いにわけて聞くと、「ヘルメットの着用が面倒だから(82.8%)」に当てはまるとの回答が最多でした。「似合わない(57.6%)」を大きく上回り、面倒臭さがヘルメット着用を妨げていることがうかがえました。
また、心理的要因には、男女の差が見られました。
同様に、心理的要因を当てはまる度合いで聞いた設問では、「ヘルメットのデザインが気に入らないから(男性44.9%、女性64.7%)」が最も男女差が大きい回答となりました。そのほか、「ヘルメットが似合わないから」「デザインが気に入らないから」「かっこ悪いと思うから」など、いずれの選択肢においても、女性のヘルメット着用に対する心理的抵抗がうかがえる結果となりました。
一方、「自転車乗車中にヘルメットを着用する」と回答した人の89.4%が「自分自身の安全のため」を当てはまる理由として選んでおり、心意的要因でも「ヘルメット着用が習慣化し、着用しないと落ち着かないから」を半数以上の63.1%が当てはまるとしていることからも、着用者はリスクと理解し習慣化しているといえるでしょう。
調査概要
調査テーマ:自転車および自転車利用者ヘルメット着用状況に関する調査
調査方法:Webアンケート調査
調査対象者:全国の15歳~84歳の“自転車利用者”と“自転車非利用者(歩行者や自動車などのドライバー)” 計2万2,400人
調査実施日:8月9日~8月22日
調査主体:JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)
調査機関:株式会社市場開発研究所
※調査における構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があるとのこと。
<参照>
努力義務化から1年。JA共済連が自転車のヘルメット着用に関する本音を大調査!認知率は8割超でも着用しているのはわずか4人に1人!非着用理由は、似合わないよりも「面倒くさい」
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