HOMEライフスタイル 今後10年も現金・カード派が主流? 3カ国対象の調査で日本のキャッシュレス化遅れが明らかに

今後10年も現金・カード派が主流? 3カ国対象の調査で日本のキャッシュレス化遅れが明らかに

佐々木 佳

2024/09/25(最終更新日:2024/09/25)


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企業向け決済サービスを提供するStripeは、日本・オーストラリア・シンガポールで「デジタル決済の未来」に関する調査を実施しました。

10年後の決済手段の意向において、日本では「現金」派が多いことが明らかとなり、他2国とは傾向が異なっていることがうかがえました。

同調査の対象者は、前述した3カ国の男女18 歳以上の3,048人。2024年6月にインターネット調査として行われました。

日本は未だに「現金大国」

調査は2024年6月、日本とオーストラリア、シンガポールの3カ国の男女18 歳以上を対象にインターネットで行われ、今後10 年以内に決済技術に何を求めるかを尋ねました。

3カ国全体に対面で使用する決済手段について複数回答で質問すると、「クレジット/デビットカード(70%)」が最も多いことは明らかになりました。

次いで68%だった「現金」は、日本だけの回答では73%と、最も多い決済手段に選ばれているようです。

近年、日本のキャッシュレス決済比率は上昇傾向にあるといいますが、この結果からは未だに日本が現金大国であることがうかがえます。

QRコード決済は他国であまり普及せず

対面での決済方法のひとつ、QRコード決済の利用率は日本が最も高く44%でした。これは、前述の2つに次いで3番目に多い割合です。

一方、シンガポールでは27%、オーストラリアでは6%と普及率は低い傾向にあるようです。

Stripeは、日本での普及率の高さは、QRコードが日本で生み出された技術であり、各事業者のキャンペーン実施や導入のしやすさがその理由であると分析。

また、他の2カ国での決済手段は日本より細分化されているとも述べています。

例えば、オーストラリアでは、「スマホ/デジタルウォレット決済」が多く利用されているほか、送金完了までの時間が短く、24 時間 365 日資金の即時送金が可能な「リアルタイム決済」、若い世代に人気の「BNPL (後払い決済)」なども利用されているそうです。

現金・カードの使用意向も2カ国と差

では、今後の対面決済の意向は変化していくのでしょうか?

10年以内の意向を聞いた質問では、3カ国平均で44%が「現金の使用をやめていると思う」と回答。「クレジット/デイビットカードの使用をやめていると思う」と回答した人は32%でした。

また、現金の使用中止を予想している人の割合は、国別だと日本が最も低く25%。オーストラリアでは45%、シンガポールでは過半数の61%だったことを踏まえると、日本における現金への信頼は他国に比べて厚いものだといえるでしょう。

「クレジット/デイビットカード」の利用中止を考えている人は、オーストラリアが35%、シンガポールが50%。それに対して日本は10%であることから、国内では今後10年も「現金」と「クレジット/デイビットカード」が対面決済の手段として主流になりそうです。

QRコード以外の決済手段普及に遅れ?

そのほかの決済方法からは何を選んでいくのか、という質問では「スマートフォン/デジタルウオレット(45%)」「QR コード決済(26%)」「リアルタイム決済(25%)」が3カ国平均で上位に挙がっています。

なかでも、「スマートフォン/デジタルウォレット」は現状の36%から9ポイント上昇していることから、今後10年で利用幅拡大が見込まれそうです。

一方、「生体認証決済」は3カ国平均が現状4%から16%へと上昇するのに対し、日本のみでは1%から2%とほとんど変化が見られないという結果になりました。

Stripeは、この結果に対し「日本は生体認証への期待や理解が希薄である可能性もある」と分析しています。

<参照>

日本の今後10 年のキャッシュレス決済の動向は?Stripe 、「デジタル決済の未来」に関する消費者調査を発表

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