世界280都市以上で電動モビリティシェアリングサービスを展開するLime株式会社(以下、Lime)は、8月19日から電動マイクロモビリティシェアリングサービス「Lime(ライム)」の日本展開を開始しました。
なお、当該サービスの展開は東アジアでは日本が唯一とのことです。
国内初の「座って乗る」電動シートボード提供
2017年に創業したLimeが今回、日本でのサービス展開を決定した理由は、電動マイクロモビリティのシェアリングサービスが移動の選択肢として日本でさらに広く受け入れられる可能性があるからだといいます。
さらに、住民や観光客に快適で便利な移動手段を提供するとし、東京都6エリア(渋谷区・新宿区・目黒区・世田谷区・豊島区・中野区)からサービスを開始。最大の特徴は、今やおなじみの「電動キックボード」にくわえて、国内で初めて、座って乗る「電動シードボード」も提供するということです。
8月開始時点では、40カ所以上のポートで200台を展開中。今後、オフィスビルや駐車場の空きスペースを活用し、ポート数の迅速な拡大を目指すそうです。
利用料金は、100円(基本料金)+30円/分、LimePassは30分/1日490円、60分/3日890円、160分/7日1,980円、300分/30日3.480円。Limeアプリから車両予約で利用可能です。
自社独自データにより開発した車両
さて、当該サービスで提供される2種の車両は、いずれもLimeのGen4.1シリーズですが、その違いは前述の通り「電動キックボード」と「電動シートボード」であるということ。
電動シートボードはキックボード式と比べてより安定感があり、座って乗ることから疲れにくく自転車に似た感覚で乗ることが可能だといいます。そのため、電動マイクロモビリティに不慣れな人でも、比較的簡単に使える点が特徴だそうです。
Limeの車両は、これまでの事業で蓄積したデータや情報を活用し、すべて自社設計・開発の上、生産管理されているといいます。Gen4.1シリーズは、特に安定性を高めるために車輪を通常のパーソナルモビリティより150%大きくし、縁石に乗り上げても危険を回避しやすい配慮がほどこされているそうです。
また、従来のLime車両より車体の重心を低くすることで、安定性にくわえて乗り心地の良さも追求したのだとか。その配慮は、電動シードボードに収納スペース装備という利便性を追求した点にも表れているといえるでしょう。
なお、電動キックボード・電動シートボードはいずれも日本自動車輸送技術協会(JATA)により保安基準適合性などを確認された特定小型原動機付自転車です。
Limeの安全への取り組み
一定の基準を満たした電動キックボードなどを特定小型原付とする、道路交通法改正が施行されて約1年が経ちました。
警察庁によると、施行後の電動キックボードに関連する交通違反・事故は85件。施工前の2022年が41件だったので、その数は2倍以上と増加傾向にあることが明らかとなっています。
歩行者に被害を与えてしまう事故も発生しており、世間の意識は電動キックボードなどの安全面へと向けられることも増えてきたと思います。
そうなると、新しい車両やサービスが登場しても、その安全性への不安が先立ってしまうことも仕方がないことといえるでしょう。ただ、Limeが最も重視しているのは「安全に対する取り組み」だと強調します。
安全性に最大限配慮したという車両設計であることに加え、ユーザーの安全に対する教育・交通ルールの正しい理解促進と啓発にも取り組んでいるそうです。
今回開始したサービスでは、アプリから予約して利用する仕組みですが、乗車には安全ガイドの理解度確認のための事前テストに合格する必要があります。
さらに、最新テクノロジーを活用した新たな安全対策も実施予定とのことです。
また、努力義務となっているヘルメット着用促進のため、業界初となる「ヘルメットセルフィ」制度を採用。ユーザーが携帯電話のセルフィ機能を使い、ヘルメットを着用した写真をアプリを通じて送信することで、料金10%割引などの特典が受けられる制度を設けることで、安全への取り組みを強化していく目的だといいます。
継続的に交通ルール違反のあるユーザーには、違反金・利用停止・退会措置などの対処も行っていくとのこと。今後も、行政や警察、さまざまな企業と連携しながら安全に対する啓発活動を広く実施予定だそうです。
<参照>
世界最大手のマイクロモビリティ「Lime」が日本でサービス開始。国内初の座って乗る「電動シートボード」も提供、また業界初の「ヘルメットセルフィ」機能を搭載、8月19日より都内6エリアで利用可能
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