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アニメ制作市場、過去最高の3,000億円突破へ 制作各社の収益状態は?

川上雅結

2024/09/04(最終更新日:2024/09/04)


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株式会社帝国データバンク(以下、帝国データバンク)は、200万社を収録するという信用調査報告書ファイル「CCR」のほか、外部情報をもとにアニメ制作会社を対象とした業界調査を2024年7月に実施。その結果を公表しました。

市場規模が3,000億円超へ

日本動画協会によれば、アニメ配信市場は2022年に過去最高の規模を達成。2023年のアニメ制作市場も前年を上回る3,390億2000万円と拡大しており、これは2024年も同水準が予想されるのだといいます。

アニメ制作業界での収益源は、DVDなどで販売するアニメビデオパッケージからアニメ劇場版や配信にシフトしており、特に動画配信市場では、2022年では1,652億円と10年間で約10倍に市場が拡大しています。

帝国データバンクによれば、安定したテレビアニメ制作本数の確保に加え、動画配信サービス(VOD)事業者向けの大型制作案件が多かったことなどが市場拡大に貢献したといいます。

また、『すずめの戸締まり』をはじめとした劇場版アニメで記録的大ヒットに恵まれ興行収入が増加したことも各社の業績を押し上げているそうです。

アニメ制作各社の収益は?

アニメ制作会社の売上高は、「増収(37.2%)」が「減収(24.9%)」を大きく上回ったものの、2022年の45.4%に比べて8.2ポイント縮小しました。

また、損益面では、「増益」となった企業が44.9%を占めた一方、「赤字」は32.3%と4年連続で3割を超えているとのこと。

自社内で制作が完結するという元請と発注を話数単位など動画単位で発注するグロス請が主体で、18年ぶりに5割超えの増益となるなど収益力が強化されているそうです。

グッズなどのアニメ市場が活性化する一方で、こうした恩恵を享受できない中小アニメ制作会社が一定数存在する状態だともいいます。

さらに、原画・シナリオなど映像を部分単位で下請けする専門スタジオと元請との間では収益格差が拡大している実情もあります。

増収割合が過去最少だったうえ、赤字割合が3年ぶりに40%を超えるなど、元請制作と異なりコスト増分をIP収入などでカバーできないために、二極化が進んだようです。


 

<参照>

アニメ制作市場、初の3000億円突破 過去最高を大幅更新 『すずめの戸締まり』など映画の相次ぐヒットが追い風 動画配信向けも好調

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