内閣府によると、ここ100年で気象災害は激甚化・頻発化が進行しています。今後も、地球温暖化の影響を受けてこの傾向は続くことが見込まれているといいます。
気象災害が多い今、9月1日の「防災の日」を前に自然災害のリスクと向き合い備える方法を紹介します。
防災に関する意識は?
災害が毎年発生している状況で、日本人の防災への意識はどの程度あるのでしょうか。
プレミアムウォーター株式会社は、20代~60代の6,756人にインターネット調査で「防災に関する意識調査」を実施。
「普段防災について考えること・目に触れる頻度」の質問には、月に1回以上の人は71.7%。「ここ数年(3年前後)での防災意識の高まり」には、「やや高まった」「非常に高まった」が全体の73.1%を占める結果になりました。
自宅での防災グッズの備えについて、「用意していない」と回答した人は45.0%、なかでも20代では59.1%と他の世代よりも多いようです。
「防災グッズを用意していない理由は?」に対しては(複数回答あり)、79.5%が「必要だと思っているが、まだ対策できていない」、27.0%が「保管スペースが確保できていないため」と回答しました。
防災への意識が高まっているものの、備えまでの行動はできていない人が多いことがうかがえます。
調査概要
調査期間:2023年6月20日~6月27日
調査対象:プレミアムウォーター契約者20~60代の6,756人
調査方法:インターネット調査
災害への備え
政府によると、具体的に災害に向けた備蓄としては、普段の生活で利用している食品や飲料、生活必需品の備蓄が役立つといいます。
災害発生時はライフラインの復旧まで、1週間以上かかることが多いそうです。そのため、自力で生活できる備蓄として最低でも3日、可能であれば1週間分備えることが重要だと指摘します。
飲料水は、1日1人3L程度が必要とのこと。非常食には、お湯や水を注ぐだけで食べられるアルファ米などのご飯や、ビスケット、乾パンなどがあると良いそうです。トイレットペーパーやマッチ・ろうそく、カセットコンロなども用意しておく生活必需品の例として挙げています。
ローリングストック法
防災意識が向上しても備蓄にハードルを感じる人には、「ローリングストック」の実践も有効といえそうです。
「ローリングストック」は、日常生活で使う食品や日用品を非常時にも利用できるよう多めに備蓄。賞味期限が古いものから生活の中で消費し、消費した分だけ買い足すことで、非常時も乗り切れる一定量を常に備蓄していく方法です。
災害のためにという心理的負担も下げ、無駄なく備えることができそうです。
災害時に備える「非常用持ち出し袋」
首相官邸は、予期せぬ災害に対応するため、非常時に必要なものを「非常用持ち出し袋」にまとめて、いつでもすぐ持ち出せるようにしておくよう呼びかけています。
首相官邸の公式サイトでは、非常用持ち出し袋に入れるものとして、食料品や生活必需品に加えて救急用品や懐中電灯、軍手、ヘルメット、貴重品などを挙げた「災害の『備え』チェックリスト」も公開しています。
家族構成などにより必要となるものが異なるため、チェックリストを確認して備えを講じることが重要です。
家具の置き方や家族同士の安否確認方法もチェックを
ほかにも、首相官邸は、大地震が発生したときには「家具は必ず倒れるもの」と考えて転倒防止対策を講じておくことや、避難場所・避難経路の確認、家族が離れているときに災害が発生した場合でもお互いの安否を確認できるよう、日頃から安否確認の方法や集合場所などを事前に話し合っておくことなどを呼びかけています。
災害時には、携帯電話の回線がつながりにくくなることがあるため、情報を共有する手段として「災害用伝言ダイヤル」や「災害用伝言版」を紹介しています。それぞれの利用方法は総務省のWebサイトにて解説されています。
<参照>
防災グッズを用意してない人は20代が59.1%と最も多い結果に!1番重要な備蓄は「水」と74%が回答。一方で災害時に必要な水の量を用意できている人はたったの16.2%
いつもの食品で、もしもの備えに!食品備蓄のコツとは? | 政府広報オンライン
9月1日は防災の日! 防災に関する調査。能登半島地震や南海トラフが影響?中部地方は防災意識が特に高まっている!保存食・飲料水を「十分に備えている」人は、5%未満!
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