総合人材サービスのパーソルグループ傘下で障害者雇用支援事業を手掛けるパーソルダイバース株式会社(以下、パーソルダイバース)は、企業の障害者雇用担当者に対し「障害者雇用方針の変化と展望に関する調査」を実施し、結果を発表しました。
法定雇用率の引き上げへの達成状況は?
民間企業の法定雇用率(※)は2024年4月から2.5%、2026年7月には2.7%と段階的に引き上げられます。
(※)法定雇用率:企業や国、地方公共団体が達成を義務づけられている、常用労働者に占める障害者の雇用割合を定めた基準
しかし、現行の2.5%の達成について、47.8%の企業が未達成の状況だといいます。
2026年7月の法定雇用率の引き上げに関する設問では、14.6%が「達成は困難」、43.3%が「達成はやや困難」と回答。6割弱が達成を困難だと考えているという結果になりました。
6割の企業がDEI施策との連動を実施
障害者雇用率の引き上げにおける「達成困難」の回答が半数を超えるなか、障害者を雇用することは単なる法令順守ではなく、本業に直接貢献するダイバーシティ推進戦略の一環として捉えている企業もあるようです。
そうした戦略の概念となるのが、DEIです。DEIとは、Diversity,Equity&Inclusion(ダイバーシティ、エクイティアンドインクルーシジョン)の略称。すべての人が公正な機会を得て、多様な背景や価値観・違いを受容できる社会実現を目指す概念だといいます。
このDEI施策と障害者雇用を連動させている企業はどれほどあるのでしょうか。
DEIに関する施策と障害者雇用施策が「連動している」と回答したのは38.2%。「一部連動している(20.8%)」とあわせると、「連動している企業」は59.0%だといいます。
パーソルダイバースは、「障害者雇用が企業の収益や業務効率に寄与することを期待する姿勢があるためと考えられる」と分析。
障害者雇用を法令順守のためだけとみなしていない企業は、多様な人材の雇用は企業戦略における貢献度につながると考えている傾向にあることが明らかであることを述べています。
調査概要
・実施期間:7月3日~11日
・実施方法:Webアンケート調査
・法人企業向けメールマガジンにて配信(契約企業および非契約企業)
・有効回答者:法人向けメールマガジンに登録している178人・一般企業:155人、特例子会社:15人、その他:8人
・エリア:全国(本社所在地:関東116人、関西29人、中部14人、九州11人、その他8人)
・対象:企業の障害者雇用に取り組む人事担当者
・調査主体:パーソルダイバース株式会社
<参照>
「企業の障害者雇用方針の変化と展望」調査結果を発表 法定雇用率2.7%の達成は6割が「困難」と考えるも、今後の障害者雇用方針は4社に1社が法令順守から「収益貢献(戦力化)」へ転換
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