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子持ち社員の夏休み問題を解決 親の仕事と子どもの遊びが両立できる「つばめっ子スペース」ってどんなところ?

川上雅結

2024/08/20(最終更新日:2024/08/21)


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クラウド会計サービスなどを開発・提供するフリー株式会社(以下、freee)は、従業員とその家族が一緒にオフィスに出社することが可能な夏休みの特別施策「つばめっ子スペース」を行っています。

freeeは、新型コロナウイルスによる全従業員フルリモート勤務の実施を経て、現在は原則週5日オフィス出社を推奨しているとのこと。

「つばめっ子スペース」は、子どもを育てながら働く従業員の声をきっかけに新たに立ち上がった施策だそうです。

「つばめっ子スペース」とは?

つばめっ子とは、freeeの従業員の子どもの呼称。「つばめっ子スペース」は、前述の通り子どもを育てながら働く従業員に配慮した施策です。

ふだんは昼食を取ったり、イベントに使用されたりするオープンスペース「アソビバ」の一角を区切り、「つばめっ子スペース」として使用しています。

会社内のオープンスペースを使って、子どものそばで業務に取り組むことが可能だといいます。

7月30日から開始し、これまでにのべ30人ほどの従業員が利用。お盆期間の8月14日には、9人の子どもが「つばめっ子スペース」に集ったとのこと(8月19日現在)。

利用者の様子

取材に訪れた8月19日は、2組3人の親子がこの制度を利用していました。

3人の子どもを持ち、資料作成業務を行う社員は、昨年までの夏休みには学童を利用していたそうです。ただ、子どもが学童に行くことを渋ることもあったといい、この制度へ参加することを決めたといいます。

同社員は、「会議に対面で出席できるのはありがたいこと」と業務上のメリットを述べつつ、「子どもが普段出会わない人に会ったり、異なる場所に行ってみたりするような経験を積めることも意味が大きいです」と、子育てにおけるメリットも大きいことを話してくれました。

同社員の子どもで小学校4・2年生の兄妹は、けん玉やボードゲームを楽しんでいました。会社に来るのは、楽しみなことなんだとか。

同スペースに置かれているボードゲームやけん玉などの備品は、freeeの社内部活制度で各部が有志で提供してくれたものだそうです。

担当者に意図を聞いた

CCO(チーフ・カルチャー・オフィサー)の辻本祐佳氏によれば、「スピード感を持ってミッションに向かい、仕事を進める目的と会社の仲間を業務遂行以外の部分でも関わりを持って進めてほしい」という思いから、原則的に出社を推奨しているのだといいます。

出社推奨のなかで、社内のフリースペースに一時的に子どもを連れてきている人も少数いたそうです。

「会社として子どもを連れてくることができるルールなどを整備し、公式にすることで従業員の働きやすさが高まるのではないか」と考え、「つばめっこスペース」の運営に至りました。

運営を始めてみると、従業員が出社しやすくなり業務が円滑に進むというメリットのほか、従業員同士が子育てについてコミュニケーションをとったり、子ども同士のつながりが生まれたりといったうれしい副産物もあったそうです。

ルールや子ども・そのほか従業員への配慮は?

「つばめっこスペース」は、「従業員と子どもが一緒に出社する」ための施策で、子どもの管理監督責任者はあくまで親である従業員。

そのため、対象とする子どもは小学生以上です。また、原則として子どもと出社した従業員は、執務スペースではなく「つばめっ子スペース」で業務を行います。

有志として見守りを行う中途採用担当の社員によれば、「近くにいるときにコミュニケーションを取ることもありますが、基本的には子ども自身がルールを守って行動してくれているので、こちらから働きかけるというようなことはほとんどないです」といいます。

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