東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団のアーツカウンシル東京が運営する、アーティストのための創作活動スペース「START Box」。若手アーティストの経済的負担を解消するために、継続的な支援をしているといいます。
また、9月3日(火)~8日(日)に、YAU CENTER(東京都千代田区)で「START Box EXHIBITION vol.2」を開催。有楽町アートアーバニズム YAU協力のもと、展示やライブペインティング・トークイベントも実施するとのこと。
アーティストが直面する困難
アーティストの報酬が少ないという問題は、特に美術分野で顕著だといいます。
多くのアーティストが、創作活動に対する対価である「アーティストフィー」を受け取っていない、不当に低い水準で固定されたなどの経験を持つそうです。
例えば、日本の美術館で個展を開く際に、実費以外の報酬がゼロであったという事例もあります。
また、「美術分野における報酬ガイドライン策定のためのアンケート調査」によれば、美術家やアーティストの平均年収は約239万円で、50%が200万円未満の収入であることが明らかになっています。
映画や音楽制作には多額の投資が必要であり、リスクを軽減するために、既に市場で成功しているアーティストをスカウトする傾向が強まっています。
このような現状からも、特に若手アーティストが活躍する機会は限られているといえるでしょう。
START Boxとは
先ほど紹介したアーティストの経済的負担を踏まえて、「START Box」は若手アーティストのための創作活動スペースを提供。このスペースは、使用されていない空き物件を活用し、アーティストが作品制作に専念できる環境を手頃な料金で提供しています。
2023年11月にオープンした「START Box お台場」は、約57㎡の広さを持つスペースで、グループでの利用や大型作品の制作が可能です。
「START Box ササハタハツ」は、冷暖房・Wi-Fi完備の全室個室なので、集中して個人制作したいアーティストにぴったりといえるでしょう。
イベント詳細
START Boxは、有楽町アートアーバニズム YAUの協力のもと、「START Box EXHIBITION vol.2」を開催予定です。
アーティストの作品等を展示するほか、ライブペインティングやトークイベントも行われます。
開催日時:9月3日(火)~8日(日) 12:00~18:00 ※3日のみ20:00まで
会場:国際ビル1階 YAU CENTER
参加費:無料
出展作家:阿久根瑠聖、三本木歓、田中唯子、中村亮一、林田真季、ヒラヤマミオ、広光、藤瀬朱里、YUSEI
【特別イベント】
・出展アーティストのYUSEI氏によるライブペインティング
9月3日(火) 18:00~20:00 ※予約不要、参加無料
・インディペンデントキュレーターの長谷川新氏をゲストに迎えた出展作家によるギャラリートーク
第1回:9月7日(土) 14:00~15:00
第2回:9月7日(土) 16:00~17:00
<参照>
START Box発 若手アーティストの作品を有楽町で発信 「START Box EXHIBITION vol.2」
美術手帖「『art for all』のアンケートでアーティスト報酬の低さが明らかに。貧困、あるいは貧困に近い状況も」
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