2022年11月に公開された生成AI「ChatGPT」は、世界に大きな衝撃を与えました。
その後、生成AIをめぐるニュースは日々更新され続け、いったい今どういう状況になっているのか、追い切れていないという人が多いのではないでしょうか。
この記事では、生成AIの仕組みから、その使い方を学ぶ方法、さらに日本大手企業での取り組みなどを紹介します。
生成AIってどういう仕組みなの?
生成AIは、インターネット上で集めた膨大なデータを分析して学習した特徴をもとに、ユーザーの指示(「プロンプト」と呼ばれます)に従ってテキスト・画像・動画など、新たなコンテンツを作り出すコンピューター技術です。
たとえば、ChatGPTは、インターネット上にある大量の文書を学習しており、ユーザーの指示に沿った文章を作りだします。アイデアや文章の翻訳・通訳、プログラムのコードなども出力可能です。
アップデートを日々重ねており、5月13日には、リアルタイムでChatGPTと対話できるようになる機能も発表されました。
ただ、生成AIは、誤りや偏りがあるデータを学習したり、正確性よりも文脈を重視したりなどといった、さまざまな要因から事実とは違う情報を生成する「ハルシネーション」と呼ばれる現象を起こすこともあります。
さらに、生成する際に利用したデータの著作権者の権利を侵害しているのではないか、多くの人間の雇用を奪うのではないかなどという批判もあり、各国の対応や国際間での合意内容がどうなっていくのかも注目されるところです。
仕事で生成AI使ってる?
生成AIの認知度や利用状況は3カ月前とほぼ横ばい 業務活用の是非に関しては「わからない」が約半数【GMOリサーチ&AI調査】
では、その生成AIは日本ではどれだけ認知され、利用されているのでしょうか。
インターネットリサーチ事業者GMOリサーチ&AI株式会社は6月、国内のモニター1,105人を対象に、AIトレンドに関する自主調査を実施しました。
調査結果としては、ある程度認知は進んでいるものと考えられ、「勤務先での使用」「取引先での使用」ともに、積極的な意見や好感を抱く意見が消極的な意見の倍近くになりました。
ただ、「わからない」「特に何も思わない」という意見が全体の約半数という結果にも上っており、ビジネスにおける利用が一般的になっていくのは、もう少し先の話になるかもしれません。
ソフトバンクは生成AIに本腰
ソフトバンクが生成AI検索エンジン「Perplexity」提供企業と提携 年額29,500円の有料版が1年無料になるキャンペーンも
そんななか、ソフトバンクグループ株式会社の孫正義会長は、「ソフトバンクグループを世界で最もAIを活用するグループにしたい」と語り、日本の大手企業のなかでも特に生成AIに注力している存在だといっても過言ではありません。
グループ企業のソフトバンク株式会社は、6月17日に生成AIを活用した検索エンジンを提供するアメリカ合衆国のスタートアップ企業Perplexityとの戦略的提携を発表。
「ソフトバンク」「ワイモバイル」「LINEMO」のユーザーに向けて、同社が提供する生成AI検索エンジン「Perplexity」の有料版「Perplexity Pro」を通常は月額2,950円/年額29,500円のところ、1年間無料で利用可能になるキャンペーンを実施しています。
生成AIモデルも誕生
しまむらのAIモデル「瑠菜」登場からまもなく2カ月……! 反響や今後の展開を聞いた
生成AIを活用したモデルも登場してきました。
株式会社しまむらは6月、タキヒヨー株式会社とAI model株式会社との3社プロジェクトとして、ファッションセンターしまむらの販促にAIモデル「瑠菜(るな)」を起用。
AIモデルを起用することで、モデルのブッキングやスケジュール調整にかかる時間が短縮され、費用も削減できるとメリットを強調します。ただ、ネットでは、賛否が分かれているようです。
実際に生成AIに慣れたい人へ
「賢い友達」ChatGPTは人の仕事をより良くする 『面倒なことはChatGPTにやらせよう』著者が語るAI活用法【インタビュー前編】
必要以上に恐れてAIを使わないのは社会的損失 『面倒なことはChatGPTにやらせよう』著者が語るAI活用法【インタビュー後編】
これから生成AIがどんどん経済に浸透していくとみられるなかで、個人が生成AIを活用するにはどうしたら良いのか。東京大学松尾研究室所属のデータサイエンティストで、生成AIに詳しいからあげさんに話を聞きました。
ChatGPTに限らず、さまざまな生成AIについて解説しています。
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