器用に使えて、運動能力が優れていることから、無意識により多く使う方の手を「きき手」といいます。
人種を問わず、ヒトの10%程度だという「左きき」。楽器やスポーツ、生活の道具などは主に「右きき」の人に向けて作られていることから、不便を感じることがあるようです。
イギリスで結成された、左ききが集まるという団体「Left-Handers Club」によって制定された「国際左ききの日(International Lefthanders Day)」は、毎年8月13日に定められています。
同団体は、安全に使える「左きき」向けの道具や、きき手に左右されない製品を作ってほしいと製造メーカーなどに呼びかけようとして発足したそうです。
Left Handers Day | August 13th | Official Site
※サイトはLeft-Handers Clubが運営/英文
主流のマナーや方法に「合わせている」
Left-Handers Clubが運営する「Left Handers Day」オフィシャルサイトでは、左ききの人に実施した調査結果を公開。調査対象となった総回答者数は明らかにされていませんが、書くときに左手を使うという人が回答者全体の98%だといいます。
「左手を使って、はさみで切る(68%)」「ゴルフクラブ、クリケット、または野球のバットを左手を上に、左を向いて持つ(59%)」、さらに左手でナイフを、右手にフォークを持って食事をするという人は26%しかいないそうです。
左ききが使いやすい「道具」が少なく、一般的なツールやスタイルに自らの動作をあわせて暮らしている様子がわかります。
左きき専用の「ミニ財布」
QRコードやクレジットカードでの決済が広まり、現金をあまり持ち歩かず小さな財布を利用する人が増えています。しかし、左ききの人にとって右きき用の小さな財布は扱いづらいそうです。
お札を10~20枚、コインは20~30枚、さらに6~9枚のカード類を収納できるというミニ財布の左きき用が、「小さいふ。クアトロガッツ」から発売されています。
左利きのあなたへ!左利き専用のミニ財布を革職人がハンドメイド。 8月13日”左利きの日”に、革の王様「ブライドルレザー」が仲間入り。
メジャーも右手向きが主流!?
一般的な巻き取り式のメジャーは、右手で本体を持ったときに読みやすいように目盛りが印字されていることがほとんどだといいます。そのため、左ききの人は「逆向きの目盛り」を読み取っているそうです。
株式会社ランチが販売する「HIDARI ユニバーサルメジャー」は、表を左きき用(左手で本体を持ったとき用)、裏を右きき用(右手で本体を持ったとき用)の目盛りにし、きき手を問わず使いやすいデザインだといいます。
製造元は、1895年創業のドイツのメジャーメーカー「ヘキストマス(Hoechstmass)」社。テープは耐久性に優れているというポリファイバー製です。
[左ききの道具店]どちらの利き手でもストレスフリー。『HIDARI ユニバーサルメジャー/左右兼用』新カラー発売開始。
調理器具メーカーが作った「左きき」専用レードル
新潟県燕三条で業務用の厨房製品を製造するメーカー、株式会社本間製作所が自社ブランド「仔犬印」から「左きき」専用レードル(おたま)を発売しています。
同社に寄せられたという「右きき用はあるのに、左きき用がない!」との声に応えて開発したというこのレードル。職人が金型から一貫して作成し、繋ぎ目が一切ないシームレス構造が特徴だといいます。
左ききの脳内科医による「自分を知るため」の本
「左ききは天才肌」「直感に優れている」「イメージ記憶が得意」……そんな特徴があるとウワサされる左きき。自らも左ききだという脳内科医師・加藤俊徳さんの書籍『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(株式会社ダイヤモンド社・刊)。
本書によると、左ききと右ききの人をそれぞれ撮影したMRI脳画像には大きな違いがあり、「ハサミが使いにくい」といった物理的な問題だけではなく、感じ方や物の見方、生き方さえも異なるそうです。
日本全国に1,200万人いるという左ききが抱えてきた違和感の謎を解き、自分らしく生きるための手助けになることを目指したという1冊です。
『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』の発行部数が7万部を突破
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