HOMEライフスタイル DHC、配送時の梱包資材に環境に配慮した素材を採用 年間で130トン、14.3%のCO2排出量削減へ

DHC、配送時の梱包資材に環境に配慮した素材を採用 年間で130トン、14.3%のCO2排出量削減へ

会田香菜子

2024/08/08(最終更新日:2024/08/08)


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化粧品・健康食品事業などを展開する株式会社ディーエイチシー(以下、DHC)は、商品発送時における梱包資材を環境に配慮した素材へ変更することを発表しました。

ウェルビーイング・ブランドとしての取り組みの一環だといい、年間で130トン、14.3%のCO2排出量削減につながる見込みだそうです。

環境に配慮したサステナブル梱包材の重要性

SDGsへの取り組みが世界的に推進されているなか、脱プラスチックについても注目されています。

脱プラスチックとは、ペットボトルやレジ袋などのプラスチック製品の使用や製造をできるだけ抑えようという行動のこと。

この脱プラスチックが提唱される背景には、深刻な環境問題があります。

環境省によると、1950年以降に生産されたプラスチックは83億トンを超え、63億トンがごみとして廃棄されたといいます。リサイクルされているプラスチックは9%に過ぎず、現状のままプラスチック使用を続ければ2050年までに120億トン以上が自然廃棄・埋め立てされる見込みなのだそうです。

このように、利用後に適切な処理をされずに使い捨てられたプラスチックは、河川などから海へと流れつき海洋ごみとなります。その量は年間800万トンといわれており、海の生物やそこからとれる魚などを食べる人間にも影響を及ぼす危険性があります。

また、海洋汚染のみならず、プラスチック廃棄の際の焼却で発生するCO2が地球温暖化の原因にもなっているのです。

これらの課題解決のために、脱プラスチックの原則として掲げられるのが「リデュース(Reduce・量を減らす)」「リユース(Reuse・再使用)」「リサイクル(Recycle・再生利用)」の「3R」と呼ばれる3つのアクション。

今回、DHCが発表した、通販の利用客や直営店への商品発送時に使用する配送箱・緩衝材などの梱包材を、環境に配慮した素材へ切り替えていく取り組みも3R活動の一環といえるでしょう。

持続可能な社会の実現を目指した3つの取り組み

DHCが、8月から順次切り替えていく配送箱・緩衝材への取り組みを、具体的に見てみましょう。

1つ目は、通販緩衝材を従来のプラスチック素材から紙原料のものに変更すること。

FSC認証取得の紙緩衝材に変更することで、年間16.96トンに相当するCO2排出量の削減効果が見込まれるそうです。


2つ目は、通販配送箱の刷新。

こちらもFSC認証取得のものへ刷新し、箱の種類を14種類から8種類に削減したほか、従来の柄を廃止しシンプルなデザインにすることで、年間79.32トンのCO2排出量削減を見込むといいます。

3つ目は、直営店への商品発送にリターナブルBOXを採用したことです。

全国95店舗の直営店への商品発送時に、従来のダンボール箱使用を廃止し、200回くり返して使用できるリターナブルBOXを導入することで年間33.68トン、約5年間では160トンものCO2排出量の削減効果が期待できるそうです。

さらに、くり返し使用できるため、廃棄の手間もなくなるといいます。

DHCのその他の取り組み

DCHでは、こうした取り組みを「DHC物流改善プロジェクト」と名付け、ほかにもさまざまな取り組みを行っています。

例えば、同社のロジスティクスセンターでは、ロボットによる自動倉庫システム「AutoStore(オートストア)」を導入し、2023年8月から本格稼働を開始しました。

省スペースで高密度保管が可能なため、導入後は商品の倉庫床面積は約5分の1に縮小されたといいます。これにより、作業者が倉庫内を歩き回らずにピッキング・補充作業が行えるようになり作業効率が向上したそうです。

DHCは、これらの取り組みはSDGs17目標のうち、12番「つくる責任 つかう責任」ならびに13番「気候変動に具体的な対策を」に貢献するものだとしています。

今後の展望については、これからもビューティーとヘルスケア領域での取り組みを通じてウェルビーイング経営を目指し、安全で安心、品質にこだわった商品とサービスを提供していくとコメントしています。

<参照>

DHC、ウェルビーイング・ブランドとしての環境への取り組み 通販・直営店への配送時の梱包資材を環境に配慮した素材へ変更

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