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立場逆転!? 役員のメンターを新入社員が務めるリバースメンタリングプログラムを実施、それぞれに感想も聞いてみた【NEC】

川上雅結

2024/07/10(最終更新日:2024/07/10)


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「職場で上司に意見を言うことなんてできない」

こんなイメージを逆転する“リバースメンタリング”というプログラムを知っていますか?

日本電気株式会社(以下、NEC)は、同社初の試みとして、DXリバースメンタリング研修を7月5日(金)に実施。実際に編集部員がその様子を取材し、参加者に話を聞いてきました。

リバースメンタリングプログラムとは?

リバースメンタリング研修とは、若手社員と先輩社員が立場を逆転し、若手社員がメンターとして、メンティーである先輩社員に助言を行う教育支援制度です。

若い世代だからこそ知っている知識や価値観をベテランに共有できる効果などがあるといわれています。

このリバースメンタリング研修の一環として、デジタル人材育成のEdTech企業であるライフイズテック株式会社(以下、ライフイズテック)が実施するプログラム「DXレディネス研修(Executive)」は、同社の大学生スタッフがメンターを務める役職者向けのワークショップ。プログラムを通じて、経営層やシニアマネージャーなどがDXを“自分ごと化”できる状態を目指す研修です。

NECのカルチャー変革エバンジェリストを務める森田健氏が、ライフイズテックから研修の提案を受け、従来はライフイズテックの大学生スタッフが行っていたメンターをNECの新入社員が行う形でアレンジを発案。NECのDXリバースメンタリング研修が実現しました。

NECの狙い

120年の歴史を持つNECは2012年、PCや携帯電話などのIT機器製造から、システムインテグレーションなどのITソリューション提供にメイン事業を転換し始めました。

そこで企業文化の抜本的な変革が急務となり、2018年にはカルチャー変革本部を設置。人事制度や働き方改革、コミュニケーション施策を行っており、2019年にはHR方針として「挑戦する人の、NEC。」を策定しました。

森田健氏によれば、今回のDXリバースメンタリング研修も、そうした改革の一環。「(初期研修を終え、部門に配属となると、)職場内で縦割りに埋もれてしまい、窮屈さを感じることで転職などの選択肢をとる若手が他の大企業と同様に存在する」とし、若者に「立場に臆することなく、社内に挑戦できる場があると伝えること」を1番の狙いとしていると説明します。

新入社員が役員を牽引?

研修内容は、新入社員がメンターとして、経営層・マネジメント層である役員をリードし、役員が抱える課題を解決するアプリケーションの完成を目指すというものです。

NECの新入社員35人と役員35人が1グループ4~5人の15チームに分かれて取り組んでおり、そのうち、2チームは外国籍の役員が参加。この2チームは英語でコミュニケーションをとりながら研修を進めました。

テーマは「NEC社員のWell-beingが小さく向上する企画の実装」で、新入社員から役員へのヒアリングから課題設定、解決の構想とノーコードアプリツールを活用した実装までを1時間30分ほどの限られた時間で行いました。

新入社員・役員それぞれに感想を聞いた

新入社員のト田真輝さんが参加した班では、役員へのヒアリングで、上司と部下間のコミュニケーションでお互いが気を遣うという課題を聞き取りました。役員たちと相談し、上司が今の状況を表す絵文字を投稿することで、部下が話しかけやすくなるようなアプリを作ったそうです。

参加した感想として「互いをあだ名で呼び合うなど、フランクに話すことができた。役員のイメージは硬かったが、今回の研修で変わった」と話しました。

また、役員側として参加した、クラウドマネージドサービス事業部門長・チーフダイバーシティオフィサーを務める繁沢優香さんは、「今回のプログラムのようなスピード感を持って、若者の発想やアイデアを生かし、それで勝負をするような仕事のやり方に変えていく必要があると感じた」と述べました。

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