株式会社三菱総合研究所(MRI)は、高齢者人口がピークを迎える2040年に向けて、「自律的な医療介護システム」を目指すために必要な施策を提言しました。
社会保険料の負担が収入を圧迫していることから、社会保障制度の改革は急務とされています。とくに若い世代では「手取りが増えない」という不満が顕在化しているようです。
迫りくる高齢化社会問題に向けた提言
MRIは、2030年までに社会保障制度改革を実現するべきだと提言。これは、目前に迫る団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」や高齢者人口がピークを迎える「2040年問題」を踏まえたものだといいます。
同社は、医療や介護、年金、子育て支援などを含めた社会保障全体の給付費は、2040年には165兆円にのぼると試算。なかでも、医療・介護給付費がとくに大きくなると予測しています。
未来の安定な社会保障制度に向けた自律的システム
試算結果を受け、MRIは「医療介護制度の持続性の確保」を最優先課題とした「自律的な医療介護システム」の確立を提唱しました。これは、「提供体制の効率化」「給付の適正化」「自己負担の改革」という3本の柱とも言える制度改革から成り立っています。
このシステムが確立すれば、2040年には合計で7.3兆円の抑制効果が出ると試算されており、未来の社会保障制度の安定化に大きく近づくと伝えています。
ただ、提示した改革案のみで財政健全化を図ることは難しいともいい、「社会保障制度の持続性を高めるためには、『国民がどのように給付と負担を分け合うか』という具体的な議論を深めていくことが重要です」と指摘しました。
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