HOMEビジネス 乾電池の廃棄が便利に パナソニック エナジーが使用済み乾電池の回収・リサイクルするスキームをタイで確立

乾電池の廃棄が便利に パナソニック エナジーが使用済み乾電池の回収・リサイクルするスキームをタイで確立

会田香菜子

2024/06/19(最終更新日:2024/06/19)


このエントリーをはてなブックマークに追加

パナソニック エナジー株式会社は、タイにおいてセブンイレブンを運営するCP ALL Public Company Limitedと協業し、タイ国内の1,000店舗で使用済み乾電池の回収ボックス設置を達成したことを発表しました。

この取り組みは、長期的な環境負荷の軽減に貢献することを目的に確立されたリサイクルスキームの一環で、今後はタイ全土への拡大と、日本国内での実現を目指していくそうです。

グローバルな環境負荷低減への取り組み

環境省によると、各国のCO2排出量は2020年に317億トン、2030年には362億トンにも上ると予測され、早急なCO2削減が求められる重大な社会問題となっています。

参考:環境省「第152回 地球環境部会『国内外の最近の動向について(報告)』」

主要電池で世界上位のシェアを有するパナソニック エナジー株式会社は、国内外の工場でCO2排出実質ゼロ化を進めるなど環境負荷低減に向けた取り組みをグローバルで行ってきました。

2022年6月からタイ国内のセブンイレブン計31店舗でスタートした使用済み乾電池の回収ボックス設置もその一環で、2024年3月には回収したパナソニック エナジー製の使用済み乾電池のリサイクルスキームを確立。この度、当初の目標である1,000店舗での設置を達成しました。

電池リサイクルを通じたサーキュラーエコノミー構想

また、同時期に製鉄会社のUMC Metals Ltd.(タイ)と協業。同社が有する、使用済み乾電池を再利用可能な経済価値のある材料に溶解できる電炉「ECOARC Furnace」により、環境負荷物質を含まないパナソニック エナジー製乾電池から再利用可能な材料を取り出すことが可能となったそうです。

この取り組みは、サーキュラーエコノミーの原則に沿ったもの。サーキュラーエコノミーとは、廃棄物の発生を最小限化し、製品や部品を含む資源を持続可能な状態で循環させる経済システムのことで、パナソニック エナジー株式会社は電池リサイクルを通じてサーキュラーエコノミー構想を加速していくとのことです。

さらに、国内でも2023年6月に使用済み乾電池の回収とリサイクル実現に向けた実証実験が行われました(U-NOTEでの紹介記事はこちら)。実証実験では、イオンリテール株式会社と協業のうえ、東京都・大阪府・京都府・奈良県の「イオン」「イオンスタイル」計22店舗にて、使用済み乾電池回収ボックスを設置。

回収した乾電池は、東京製鐵株式会社の岡山工場を通じて鉄鋼材料などの新たな素材へのリサイクル、また乾電池部材へのリサイクルのための研究開発に活用されたそうです。

パナソニック エナジー株式会社は、「今後もミッションである『幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現』のもと、グローバルでの取り組みの加速と拡大を通じ、使用済み乾電池の効率的な回収・再生のプロセスの研究と確立に取り組みます」とコメントしています。

<参照>

使い終わった乾電池を次の電池へ 使用済み乾電池を電池材料にリサイクルする実証実験を開始

パナソニック エナジー、使用済み乾電池を回収しリサイクルするスキームを日本とタイで確立 ~タイでの使用済み乾電池を回収、リサイクルするサーキュラーエコノミー構想を加速~

環境省「第152回 地球環境部会『国内外の最近の動向について(報告)』

【関連記事】


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード