株式会社ローソン(以下、ローソン)は、6月4日(火)に店舗従業員が着用する名札の表記ルール見直しを行うことを発表しました。従来は、名札に実名(名字)の表記を原則としていましたが、今後はアルファベットによる任意の文字、またはイニシャルでの表記が可能になります。
実名以外の名札表記でカスハラ対策
カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)は、顧客や取引先が企業に対して理不尽な要求やクレームを発する行為のことです。昨今では、店舗のなかで従業員に土下座を要求し、それを動画に撮影するといった悪質な行為もニュースなどで報じられています。
また、5月17日(金)に厚労省が公表した2023年度の「職場のハラスメントに関する実態調査」では、セクハラやパワハラの件数が減少傾向にあるなか、顧客などからの著しい迷惑行為は唯一、件数の増加が減少を上回ったことが明らかになるなど、カスハラの社会問題化は深刻です。
参考:厚生労働省「令和5年度厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査(概要版)」
この度、ローソンが実施した名札表記のルール見直しの背景には、こうしたカスハラへの対策、またプライバシー保護などの観点を鑑みたことがあります。
変更後の表記ルールは「役職+任意のアルファベットまたはイニシャル」表記。たとえば、名字が「たなか」であれば、「クルーTK」や「クルーT」、または「クルーZ」など実名にはないアルファベットも使用できるそうです。
なお、顔写真については2020年1月から名札に掲載しないルールが運用されています。
ヒジャブの着用も可能に。従業員の多様化に対応
また、人権の尊重の観点から、従業員の身だしなみに関するマニュアルも一部改定。改定後は、宗教上の理由があれば頭髪を覆う布類の着用が認められます。これにより、イスラム教徒の女性がヒジャブを着用したまま接客を行うことができるようになります。
ローソンは、グループ理念「私たちは “みんなと暮らすマチ” を幸せにします。」のもと、今後も社会状況に応じて、誰もが働きやすい環境整備の推進を目指していくとのことです。
<参照>
名札への実名以外での任意のアルファベット表記を実現(「ローソン」公式Webサイト)
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