HOMECareer Runners 会社を経営しながら企業で働くなんて、できるの? 株式会社ガイアックスのメンバーに真相をインタビュー【前編】

会社を経営しながら企業で働くなんて、できるの? 株式会社ガイアックスのメンバーに真相をインタビュー【前編】

川上良樹

2024/06/05(最終更新日:2024/06/12)


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テクノロジーの発達や時代の移り変わりとともに、日本でも、自由な働き方が少しずつ浸透してきました。とはいえ、“会社経営をしながら企業のメンバーとして勤務”する働き方があると聞いても、なかなかイメージが湧かないのではないでしょうか?

今回、話を聞いたのは、学生起業をした身でありながら、大学卒業とともに株式会社ガイアックスで働き始め、社長業を兼ねたまさに自由な働き方を体現している上井 登志之さんです。会社を経営しながら企業で働くメリットや、若くして経営者になる第1歩を踏み出す方法をインタビューしました。

インタビュイープロフィール

上井登志之(うわい・としゆき)

東京農工大学農学部 獣医学科卒業
2020年 都内ペット関連事業会社に入社。計3病院の動物病院の立ち上げに携わる
2021年 株式会社wevetを創業 代表取締役に就任
2023年 株式会社ガイアックスと業務委託(※)契約

※業務委託
企業と正社員や契約社員のような雇用契約を結ぶのではなく、プロジェクトごとに業務を請ける働き方

現在はweb3事業本部・DAOコンサルティングディレクターを務め、企業や自治体の新規DAO結成時のコンサルティングのディレクションおよびプロジェクトマネジメントをおこなう。

「社長×企業のメンバー」という働き方

―――上井さんは、ガイアックスでどのような事業を担当しているのでしょうか?

web3事業本部に所属し、DAO(自律分散型組織)を活用した新規事業を後押しするコンサルティングディレクターとして働いています。DAOとは、管理者の存在がなくとも、メンバー間で意思決定ができる比較的新しい組織のあり方です。

DAOの立ち上げには下準備が必要なので、いきなり企業や団体が始めるのには少しハードルが高いのが現状です。そこで、誰でも簡単にDAOを作れるツールを提供しつつ、事業として浸透するまでのサポートをおこなっています。

―――上井さんは、学生時代に起業していると聞きました。どのような会社を経営しているのでしょうか?

主に、獣医師を目指す人へ向けたオンライン学習塾を展開しています。

2021年に創業以来、獣医試験対策に特化したサービスの提供をおこない、いまでは現役合格者を多数出せるほどに事業が成長しました。

現在も会社を継続できているのは、ニッチな事業である利点を活かし、競合のないところで戦えたことが大きいかなと思います。ほか、創業前に働いていた動物病院の事業会社で得たマーケティングの知識を活かし、ニーズをもつ顧客へ適切なアプローチができたのも要因の1つです。

―――なぜ学生で起業をしようと思ったのでしょうか?

アルバイトにいくつか挑戦した結果、上司や先輩に指示されたことを淡々と遂行するような働き方に向いていないと思ったのが正直なきっかけです。メンタルが強い方ではなかったので、僕自身が持った異論や提案などの行動に対して、厳しく注意されただけですぐ辞めてしまうような生活を送っていました。

ほかにも、効率が悪い業務形態に納得できない態度をとっていたら、自然とチームから外されていたなんてこともあって……。そのような状況のなか、ベンチャー企業の経営者直下で働く機会に恵まれ、吸収したノウハウをもとにして起業へ踏み出しました。

自由な働き方が可能な会社を選べば起業との両立ができる

―――会社経営をしながら、ガイアックスのメンバーとして働いている理由を教えてください。

自分の会社を成長させるために、自らもプレイヤーとして身を置く環境がほしかったんです。なかでも、メンバー自ら新規事業を立ち上げていく環境のあるガイアックスであれば、経営者としての知見を獲得しながら業務にあたれると思いました。

また、ガイアックスには、私と同じく起業をしながら業務委託で働くメンバーが多く存在しています。そのため、ガイアックスをひとつのコミュニティーとして捉え、仲間とともにモチベーションの継続をしていきたいと感じ、ガイアックスで働く決意を固めました。

ガイアックスに集う他の起業家の先輩方もそうそうたる方々で、自分で会社をやるのとは別に、ガイアックスでも難しいチャレンジをされていることに驚きました。

―――会社経営をしながら、企業のメンバーとして働くイメージがなかなか湧きません。スケジュールにも限界はあるのではないでしょうか?

ガイアックスのように、業務委託で働けるだけでなく、勤務場所や時間が自由な組織でないと、会社経営をしながら企業で与えられた仕事をこなすのは厳しいかもしれません。

ガイアックスは、求められている成果物を提出すれば、基本的に仕事をする場所やタイミングを自分でコントロールできる環境があります。おかげで、午前に自分の会社の仕事をし、午後にガイアックスの資料作成にとりかかるなどの働き方が実現できています。

コアタイムや働く場所の制限がある企業に属している場合、会社経営をするハードルはかなり上がってしまうかもしれません。

「社長×企業のメンバー」で働くメリットは経験の組み合わせにあり

―――会社経営をしながら企業のメンバーとして働いてみて、メリットに感じたことがあれば教えてください。

私は「事業で得た知識を別で生かす」のが好きなタイプの人間です。実際に、ガイアックスで学んだ知識は、しっかりと会社経営に役立てられています。

具体的には、ガイアックスで学んだコンサルティングの知識を得て「獣医師監修のペット製品コンサルティング」という新サービスの立ち上げに成功しました。

また、ガイアックスにおいては、自分自身のマーケティングや最新テクノロジーへの関心や経験を(同社の)新規事業推進において生かすことができています。

「会社経営×ガイアックスのメンバー」の組み合わせによって生まれた“マーケティングの知識をもった獣医師”という肩書きは、もしかしたら私しかいないかもしれません。これからも、ガイアックスで働いているからこそ得られる経験を大切にし、自分にしかできない新しい組み合わせを発見していきたいです。

―――会社経営をしながらガイアックスのメンバーとしても働くと決めたとき、周りからはどのような反応がありましたか?

当時の先輩や経営者などに相談をしているなかでは、意見が2極化していたのが印象的でした。面白い選択肢だという意見と、経営者として甘えだという見解にわかれていたんですよね。

ただ、これまでの活動を振り返れば「いまの生活を選んでよかった」と自信をもって言える自分がいます。ガイアックスで働く道は、自分の会社が大きくなることをあきらめたわけではなく、むしろ成長させるために必要だったと心から思えるからです。

後編では、若くして独立の道を歩んだ上井さんから、起業へ1歩踏み出すためのアドバイスをお聞きしています。

株式会社ガイアックス

新規事業のアイディア出しからグロースまで、起業前のフェーズから徹底した支援を提供し、事業を連続的に生み出す「スタートアップスタジオ」。

ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー領域、web3・DAOを用いた事業を展開中。事業開発やエンジニアリング、バックオフィスに資金調達など、あらゆる角度からのサポートにより、数多くの若手起業家を輩出した実績があるという。
 

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