HOMEインタビュー お客様の反応がガラっと変わる! 元リクルートのトップセールスべじこさんに聞く「キャラ営業の極意」とは【前編】

お客様の反応がガラっと変わる! 元リクルートのトップセールスべじこさんに聞く「キャラ営業の極意」とは【前編】

川上良樹

2024/05/31(最終更新日:2024/05/31)


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入社2〜3年目を迎えたセールスパーソンは、もう新人ではないというプレッシャーや後輩に抜かされる焦りなど、1年目とは違った悩みを抱えます。

また、やる気はあるのに成果が出ない状況に「自分は営業に向いていないのでは?」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。

今回、話を聞いたのは、リクルートグループのトップセールスという経歴を持ち、現在はイラストレーターとして活動するべじこ こと 坂井洋子さんです。

営業時代に身につけた「キャラ営業」のスキルをイラストレーターになってからも活かしているというべじこさん。

そんなべじこさんに、キャラ営業とはなにかから、自分のキャラを発見する方法を聞いて「営業向いてない……」を一緒に解決していきましょう。


べじこさんって何者?

新卒でリクルートグループに入社し、10年半の法人企業への企画営業、転職情報サイト立ち上げのスーパーバイザーの経験を持つ。トップセールスとして活躍した秘訣を詰め込んだ書籍『キャラ営業の極意』は、発売から1ヶ月を待たず重版が決定。

イラストレーターや漫画家として活動する現在も、キャラを活かして仕事の幅を広げている。べじこのべじはベジタブルのベジ。野菜ソムリエでもある。

若手営業は悩みが尽きない……

―――べじこさんは、元リクルートのトップセールスなんですよね? それなら、新人の頃はとくに苦労しなかったのでしょうか?

いえ、決してそんなことはありません! 私も営業を始めた当時は「もしかして自分は営業に向いてない?」と思うほど苦労していました。

入社してすぐ、「飛び込み営業に行ってみよう!」と上司から言われ、重い足取りで桜並木を横切る日々を送っていたんです……。いま思えば、お客様に選んでもらう大変さを早めに体感させる目的があったのかもしれませんね。

いきなり会社を訪ねても、嫌がられるし、追い返されるし……。なかなか話を聞いてもらえず、辛い状況が続いていたことをよく覚えています。

同期も同じように辛い思いをしていたので、自然と励ます側になってしまって……。周りを鼓舞しているのだから、自分自身も頑張るしかありませんでした。

―――はじめから順調だったわけではなかったのですね。2~3年目のときも、辛い状況が続いたのでしょうか?

2~3年目になると「もしかして営業って楽しいのでは?」と思えるようになっていました!

きっかけは、当時の教育担当から「悲劇のヒロインぶってる」と言われたことですね。どうやら、指示された仕事を仕方なくこなしている感じが、表情や態度に出てしまっていたようです。

そのひと言のおかげで、徐々に営業として前を向いて仕事ができるようになりました。やらされているから辛いのであって「自分からやろう!」と気持ちを切り替えれば、見える景色が変わっていくことに気付いたんです。

それからは、お客様から仕事を任されることも増え、段々と営業の面白さを感じることができるようになっていました。

いま思えば、2~3年目あたりから自分の「キャラ」を発揮していたのではないかと思います。

「キャラ営業」で無理なく楽しく営業を続けよう

―――「キャラ営業」ってなんですか?

キャラ営業とは「自分のキャラを活かした営業」と定義しています。

キャラ営業では、自分の“個性”や“強み”を発揮して、周囲に存在を認められつつ、お客様から選ばれることを目指します!

「キャラ営業」とだけ聞くと、もしかしたらすごくキャラが濃い人とか、特別な人にしかできないことなのでは?と思うかもしれません。

実際はそのようなことはなく、自分がもともと持ちあわせている個性や強みを伸ばして、仕事に活かせば大丈夫です。外見のキャラ付けは、誰でも今日から実践できるのが魅力です。

―――自分の「キャラ」を押し出すと、万人受けしない営業になってしまうのではないでしょうか?

たしかに、相手になにかしらの印象を与えているかぎり、万人受けしない部分はあるかもしれません。

でも、誰からも無難なイメージを持たれている営業担当者は、印象にも残らないんですよね。たとえば、サービスや値段などが競合と同等だった場合、そこからあと一歩選ばれる存在になれないんです。

「すごく元気な人だった」「オレンジ色が似合う人だった」……まずは初対面でそんな印象をお客様に与えて、覚えてもらうことが大切。さらに、「仕事が速い」「話をていねいに聞いてくれる」など強みを発揮することで、「今回はあの人にお願いしようかな?」と思ってもらえるようになります。

そもそも、誠実に仕事をしていれば、嫌われるようなことはほとんどありません! 怖がらずに自分のキャラを出してみると、いままでにない手応えを感じられるようになりますよ。

自分だけのキャラを発見する方法

―――自分のキャラは、どのように発見すればいいのでしょうか?

自分の強みや長所に注目してみましょう。

“自分ではそんなに努力をしているつもりはないけど、周りから褒められること”を思い返してみると簡単に発見できます。

「人とすぐ仲良くなれる」「興味があることへの勉強は欠かさない」など、自分にとっては当たり前で長所や強みに思っていないことでも、周りからすれば「すごい!」と思われることはたくさんあるんです。

褒められたことが思い当たらない人は、勇気を出して周りから意見を集めるのも1つの手段ですよ!

ほか「真面目」ではなく「とことん真面目」、「熱心」×「丁寧」など、自分の長所や強みを突きつめたり、掛け合わせたりすることでもキャラの発見につながります。さらに「負けず嫌い」や「図々しさ」など、一見短所と思われることも強みに変えていくだけで、自分にしかないキャラとの出会いが待っていますよ。

 もちろん、外見でもキャラの表現は可能です。

前提として、それぞれの営業先に失礼のないような服装や髪型を意識してください。そのうえで、自分が「どう見られやすいか」を踏まえて「どう見せたいか」を考えましょう。

くわえて、初対面で印象付けて覚えてもらう工夫も大切です。たとえば「テーマカラーを決めて小物に使う」「態度を堂々とする」などすぐにできることを実践するだけでも、お客様の反応が変わってきます。


内面も外見も、重要なのは、無理をしないこと!自然体で自分を表現していくことで、お客様も心を開きやすくなります。無理せず楽しんで成果を出すことは、キャラ営業を続ける秘訣です。

後編では、若手の営業パーソンが抱えるさまざまな悩みを、キャラ営業を軸にして解決する方法をお聞きしていきます。

べじこ公式HP

書籍「キャラ営業の極意
 

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