日本電気株式会社(以下、NEC)は、2025年日本国際博覧会(以下、大阪万博)で顔認証を使った決済や入場管理を行うシステムを導入します。
今回は、顔認証のしくみから決済の方法、日本企業で広がっている取り組みについて紹介します。
顔認証のしくみと特徴
目や口・鼻などの特徴をもとに、顔を検出してカメラで撮影した画像や動画から顔を見つけ出す顔認証。
検出した顔のデータから両目の間の距離や鼻の形、口の位置などの特徴を取り出し、事前に登録されたデータと比較して判断するそうです。
人間が相手を判別するプロセスをシステムに応用した最も身近な認証システムだといい、パスワードを覚えたりカードやキーを持ち歩いたりする必要がないことが利点だといいます。
また、虹彩やDNAによる生体認証と比べて、専門装置が不要であることが特徴だそうです。
大阪万博では、事前に自分のスマートフォンで撮影した顔写真をもとに判定を行うといいます。
顔認証決済を行うには?
顔認証を用いた決済では、顔認証システムへ決済情報を事前登録することが必要です。スマートフォンやカードと違い紛失することはなく、手ぶらで決済できます。
大阪万博では、万博の独自電子マネーである「ミャクペ!」に会員登録する際、事前に顔情報と決済方法を登録しておけば、万博会場内の「stera terminal」という決済端末で顔認証を活用した決済サービスが使えるそうです。
万博以外では、どう活用されている?
海外では顔認証決済の取り組みがすでに広がっているといいますが、日本ではどうでしょうか。
和歌山県の南紀白浜空港とその周辺地域の活性化を目的としてた「おもてなし顔認証」の実証実験が、NECによって行われています。空港での出迎えやホテルでのチェックイン・周辺施設での買い物などに顔認証を活用しているそうです。
東京ドーム(東京都文京区)では、一般来場者を対象に顔認証での入場・決済サービスが2022年に導入されました。これには、パナソニックコネクト株式会社の技術が採用されています。
さらに、LINEヤフー株式会社(当時はヤフー株式会社)も顔認証決済に注力しており、2023年4月から同年12月まで実証実験も行いました。
この実験では、ユーザーが専用サイトからPayPayアカウントと連携したYahoo! JAPAN IDに自身の顔画像を登録した上で、「Yahoo!マート」代々木上原店に入店。セルフPOSレジで購入したい商品のバーコードを読み取って「顔認証支払い」を選び、自身の顔をかざし顔認証が成功するとすぐに、「PayPay残高」支払いでの決済が完了するというものです。
ほかにも、顔認証決済の自動販売機や改札機などの運用も各所で始まっています。顔さえあればどこにでも行けて、なんでも買える時代が来るかもしれません。
<参照>
NEC、大阪・関西万博の店舗決済と入場管理に顔認証システムを導入 ~手ぶら決済による利便性向上と、なりすまし防止による安全・安心で効率的な万博運営を実現~
東京ドームでパナソニックの顔認証技術を活用した入場・決済サービスが運用開始
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