自律移動ロボットを開発する株式会社Preferred Robotics(以下、プリファードロボティクス)は5月16日(木)から、家具を自動で動かすことができる自律移動ロボット「カチャカ」に大規模言語モデル(LLM)と連携した新機能を搭載しました。
大規模言語モデルとは?
大規模言語モデルとは、大量のデータとディープラーニング技術によって構築された言語モデルのこと。従来の言語モデルと比べると、3つの要素「計算量」「データ量」「パラメータ数」を大幅に増やしたことで、人間のような自然な受け答えや文章の作成が可能になったといいます。
会話の実現による、気になる新機能は?
これまでカチャカは、定型の音声コマンドにのみ対応していて「(もの)を(場所)に持ってきて」という指示を出すことで作動していました。
人に話しかけるような自然な会話を通じ、カチャカに指示を出すことができるようになったことで、複数のアクションを、1つの指示で対応してくれるといいます。
また、過去の会話の内容を記憶するため、より利用者の意図に添った動作をしたり、パーソナライズされた会話を楽しめたりするそうです。さらに、利用時の困りごとがあったら、わざわざ調べなくてもカチャカに話しかけるだけで解決策を提示してくれます。
どんなシーンで使えるのか?
思い通りに家具を動かせるので、料理中に配膳をしてもらったり、リモート会議中に必要な道具を届けてもらったりするなど、さまざまなシーンで活用できるそうです。
家事や仕事の段取りに組み込むことで、マルチタスクを同時に進めるなど、自分の手を増やす感覚で使えるといいます。
また、法人向けに発売した「カチャカプロ」では、歯科、病院、飲食店、オフィス、工場などで導入されています。人に代わって、配膳や搬送業務などをこなしてくれるそうです。
使用方法
カチャカを使うには、専用アプリと専用家具を用意のうえ、2つをドッキングする必要があります。
カチャカのソフトウェアを3.0にアップデートし、スマートフォンアプリの「カチャカにお願い」アイコンをタップ。スマートフォンに話しかけると、専用家具を動かし、指定の場所までものを運んでくれます。
プリファードロボティクスによると、カチャカはさまざまな賞を獲得しています。一般社団法人テクニカルディレクターズアソシエーション主催の「第0回 Tech Direction Awards」にて「Digital Product部門」。公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2023年度グッドデザイン賞」。日経トレンディ主催の「ヒット予測2024」の11位に選出されているそうです。
6月以降に、「困りごと解決能力の向上」と「初期設定の自動化」の2つの機能を実装予定とのこと。「困りごと解決能力の向上」によって、「今通った場所は通らないようにしてくれる?」と話しかけると、カチャカが自動で進入禁止エリアを登録してくれます。「初期設定の自動化」では、通常15〜30分かかる初期設定を、いくつかの質問に答えるだけで済むようになります。
<参照>
自律移動ロボット「カチャカ」大規模言語モデル搭載で自然な会話による操作が可能に
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