HOMEライフスタイル 出会い系サイトと何が違うの? 「Omiai」「with」運営統括企業のCEOに聞くマッチングアプリ市場のいまと今後【インタビュー前編】

出会い系サイトと何が違うの? 「Omiai」「with」運営統括企業のCEOに聞くマッチングアプリ市場のいまと今後【インタビュー前編】

菓子翔太

2024/05/14(最終更新日:2024/09/20)


このエントリーをはてなブックマークに追加

「マッチングアプリで恋人が出来た」

そんな話を聞く機会が増えてきていませんか? いまやマッチングアプリは、パートナーと出会うための主な手段の1つとなってきています。

U-NOTE編集部は、特に利用者の多い「Omiai」「with」を運営統括する株式会社エニトグループ(以下、エニトグループ)の代表取締役グループCEO・小野澤香澄氏に、マッチングアプリ市場の現在と、今後の戦略についてお聞きしました(全2回中1回目)。

マッチングアプリ市場の勢いがすごい

出会って1年以内に結婚した人のうち、4人に1人がマッチングアプリがきっかけだったという(※1)ほど、恋活・婚活において勢力を伸ばしているマッチングアプリ業界。

最近では、男女の婚活を後押しするため、東京都がマッチングアプリを開発して提供することも発表されました。

マッチングアプリサービスを提供している株式会社タップルによると、オンライン恋活・婚活マッチングサービスの市場規模は、2023年に788億円、2028年には860億円に拡大すると予測されているそうです。

(引用:マッチングアプリ「タップル」、国内オンライン恋活・婚活マッチングサービスの市場調査を実施)

小野澤氏によると、欧米では、独身者のうち約5割がマッチングアプリを利用したことがあるのに対し、日本は現状2割程度とのこと。小野澤氏は、「(今後、海外に)追いついていき、市場が大きくなっていくだろうと考えています」と見通しを示したうえで、マッチングアプリの特長として、

利用された方が他の方に口コミをしていった結果、ユーザーが増えていく傾向が他のサービスよりも強くあります

と指摘し、その構造をキープできるようサービス展開していく意向を示しました。

※1 明治安田生命保険相互会社の調査

マッチングアプリのビジネスモデル

さまざまなマッチングアプリが登場するなかで、エニトグループは、シリアス系(相手と長期的な関係を望む利用者に向けたサービス)の「with」「Omiai」を運営しており、それぞれ国内シェア2位(2024年2月時点で累計会員数1,000万人)、3位(同900万人)を記録しています。

「with」は、「心理テスト」や「好みカード」などで相手の価値観が分かるのが大きな特徴のサービス

小野澤氏によると、「with」「Omiai」の収益源は、

ほぼ100%近くがto Cです。そのうちの大半がサブスクリプションでして、男性の方がどなたかとメッセージしたいというタイミングで課金していただく流れになっています

といいます。

さらに、より細かい条件を設定して相手を検索したり、メッセージの既読・未読を表示したりできる、追加の有料サービスによる収益もあるそうです。

出会い系サイトと何が違うのか

人気が上昇しているマッチングアプリですが、「出会い系サイト」といわれることもしばしば。しかし、小野澤氏によると、出会い系サイトとwithやOmiaiなどとでは、いくつかの点で違いがあるといいます。

まず、従来の出会い系サービスでは、(1)クレジットカードによる間接的な年齢確認も認めており、本人が実在しない場合がある(2)対応窓口を設置していない、もしくは窓口が設置されていても返信がないケースがある、などといった特徴があるそうです。

一方で、withやOmiaiでは、(1)公的証明書による年齢確認が必須(2)顧客対応の窓口が設置されている(3)24時間365日、システムや人の目で不正利用者を感知するための仕組みを設けている、といいます(ほかのマッチングアプリも、筆者の確認では、Pairsやタップルで同様の特徴があり、公的証明書による年齢確認を行わないと、ほぼ全ての機能を使えません。あらゆるマッチングアプリに当てはまる特徴とまでは言い切れないので、利用する際にはご自身で確認してください)。

環境を良くするためにかけているコストと体制が違います」と小野澤氏は強調します。

また、第三者によるチェック体制として、特定非営利活動法人「結婚相手紹介サービス業認証機構(IMS)」による認証制度があり、その認証を得るなど一定の条件を満たしたマッチングアプリでないとTV・ラジオCMの放送ができないようになっているそうです。

エニトグループの今後の戦略

『自分らしくいられる人と生きる幸せを、世界中へ。』というビジョンを実現するためになにをすべきか? から、未来の事業展開を考えています」     

エニトグループの目標と事業について、そう語る小野澤氏。その実現のため、今後の展開として主に3つに注力していくそうです。

1つ目はAIの活用です。AIを使うことで、(ユーザー同士や運営との)コミュニケーションをより活性化させたいと考えています。

2つ目は海外展開で、いま実験的に東南アジアでサービスを展開している段階です。

最後の3つ目は、別のサービスのM&Aを行っていくことです。(M&Aを行うサービスは)(マッチングアプリサービスに限らず)お互いメリットが出せるようなものであることが前提ですね

後編では、自身もマッチングサービスで結婚相手を見つけた小野澤氏に、マッチングアプリの上手な使い方・向き合い方についてお聞きします。

【関連記事】


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード