‟まちの未来”を考えるクラフトビール「TOWN CRAFT」誕生　アップサイクル液肥で育てたコメが原料

2024/05/08（最終更新日：2024/05/08）

目次: +徳島県上勝町のゼロ・ウェイスト活動; +ゴミの出ないブルワリーを目指した「reRise」

徳島県上勝町に拠点を構えるブルワリー（ビール醸造所）「RISE & WIN Brewing Co.」（以下、RISE & WIN）が、三菱地所株式会社（以下、三菱地所）とコラボレーションしたクラフトビールを5月7日（火）から発売しています。

三菱地所が運営する商業施設「TOKYO TORCH常盤橋タワー」（東京都千代田区大手町）から出た生ゴミを、同施設内でコンポスト化。生ゴミからアップサイクルしたという有機肥料で育てたコメを原料とするビールです。

販売価格は825円（税込）、内容量330ml。RISE & WINの店舗であるBBQ & General Store（徳島県上勝町）ならびにKAMIKATZ TAPROOM（東京・東麻布）、オンラインストア、東京駅近くで三菱地所が再開発中の地区「TOKYO TORCH」の一部店舗で購入できるそうです。

徳島県上勝町のゼロ・ウェイスト活動

RISE & WINが拠点とする徳島県上勝町は、2003年に「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った自治体。無駄、浪費、ごみをなくそうとする取り組みで、2016年にはリサイクル率80％を達成。

同社は、農家で廃棄対象となる搾汁後の柚香の皮を有効活用した「KAMIKATZ WHITE」や規格外品の鳴門金時芋を用いた「KAMIKATZ STOUT」などのゼロ・ウェイスト地ビールを醸造しています。

ZERO WASTE TOWN Kamikatsu｜上勝町ゼロ・ウェイストの歴史

RISE & WIN Brewing Co. 公式サイト

ゴミの出ないブルワリーを目指した「reRise」

RISE & WINは2021年から、ビール製造の副産物「モルトかす」を微生物分解で液肥化する仕組みを採用。上勝町内の畑で、すでにその液肥の活用を実現しているそうです。

また、液肥を用いて栽培した麦を原料にしたビールの醸造も行われているといい、日本ゼウス工業株式会社の協力のもとに、「reRise（リライズ／再生・再興）」と名付けた地域での循環活用が行われているといいます。

三菱地所とのコラボビールである「TOWN CRAFTーまちの未来を考えるビールー／GOLDEN RICE ALE」は、同社が運営する常盤橋タワーで排出された生ゴミをコンポストで液肥化し、近郊にある農地で作物を栽培するというリサイクル・アップサイクルの検討・実証実験のひとつとして製品化されたといいます。