株式会社帝国データバンク(以下、TDB)では、約147万社が登録されているという企業概要ファイル「COSMOS2」から、企業の社長をめぐるデータを抽出。2023年12月時点の平均年齢を調査しました。
年々上昇する平均年齢
本調査では、2023年の平均年齢は60.5歳(前年比0.1歳上昇)だといい、同社が記録をさかのぼれるという1990年から平均年齢は上昇の一途をたどっているそうです。
年代別だと、「50歳以上(29.2%)」「60代(26.6%)」「70代(19.9%)」「80代(5.3%)」と、50代を超える社長が81.0%を占めていることがわかります。
起業家やスタートアップ経営者には「若手が多い」というイメージがありますが、「30歳未満」は0.2%という低い水準です。
不動産業で社長の高齢化が目立つ
業種別に見ていきましょう。平均年齢がもっとも高かったのは「不動産」で、62.6歳。さらに、不動産業を「不動産代理・仲介」や「貸事務所」などの9業種に細分化すると、そのうち7業種で全体平均の60.5歳を上回っている結果になるそうです。
一方で、IT企業を含む「サービス」業では、平均年齢は59.1歳と、比較的若い傾向を示しています。
東北エリアではさらに深刻な‟高齢化”
都道府県別では、秋田県が62.5歳でもっとも高く、次いで岩手県の62.4歳、高知県の62.3歳と続いています。秋田県は6年連続のトップとなり、東北地方は6県すべてが全体平均の60.5歳を上回る結果です。
もっとも平均年齢が低かった三重県で59.4歳。前年より0.3歳上昇していることから「60歳を超える日も遠くない」という見解が示されています。
TDBによると、後継者不在による倒産が586件(2023年)と過去最多だといいます。そのうちの約4割は「経営者の病気、死亡」が原因だそうです。
こういった経営者の高齢化にともなう事態を防ぐためにも、円滑な事業承継を実現する必要があると伝えています。
<参照>
社長の平均年齢、60.5歳 33年連続の上昇、高齢化止まらず
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