株式会社三陽商会は、3月28日(木)から、リユースを前提とした衣料品の回収活動を開始しました。
同社は、「EPOCA」「Paul Stuart」「MACKINTOSH PHILOSOPHY」といったブランドを展開。直営店・百貨店内などで販売するアパレルメーカーです。大手アパレルの自社リユース製品は、まだ珍しい取り組みであり、これまで「少し背伸び」が必要だったこれらのブランド製品をリーズナブルかつサステナブルに手に取れるかもしれません。
全国の直営店と百貨店テナントの一部店舗で、自社製品のみを対象に常時回収を実施。持続可能なビジネスとしてリユース事業の実現を目指して、順次拡大予定とのことです。
ファッション産業と環境負荷を考える
ファッション産業は、資源やエネルギーの使用、ライフサイクルの短命化などの観点から環境負荷が大きい産業だと指摘されています。これを受け、近年は環境負荷を考慮したサステナブルな取り組みを行うメーカーが増えてきました。
環境省が公表している「ファッションと環境に関する調査(※)」によると、消費者が手放した衣料の66%が焼却・埋め立て処分され、リユース率は19%にとどまっているといいます。
アパレルメーカー各社はこういった現状を受けて「無印良品」「ユニクロ(GU、プラステを含む)」では自社製品を、「ZARA」「H&M」では古着全般を回収するなどリユース・リサイクルに向けた取り組みを行っています。
※出典:環境省「ファッションと環境に関する調査」
三陽商会の取り組み
三陽商会は、有限な資源を効率的に活用し、持続可能なかたちで資源を循環利用する「資源循環型社会」の実現への貢献を目指すといい、回収活動「EARTH TO WEAR RECYCLE」をキャンペーンとして複数回実施。
従来のキャンペーンでは、回収した衣類を、洋服の原料や自動車内装材などにリサイクルしていたそうです。
この春からは、「SANYO RE: PROJECT(サンヨー・リ・プロジェクト)」として、キャンペーンではなく常時、自社製衣料品を回収する仕組みを設けました。回収に協力すると、1点につき同社のポイントプログラム「サンヨー・メンバーシップポイント」500ポイントが特典として付与されます。
さらに、従来のように回収衣類を再資源化するのではなく、可能な限り再販売などのリユースしようと取り組むといいます。
回収した衣類は、自社の倉庫に集め、同社従業員がチェックを行い繊維素材へのリサイクル品、固形燃料などの再資源化用途品、自社直営店で再販売するリユース品に分別するそうです。
リユース品は、2024年夏ごろまでの再販売を予定です。
概要
開始日:2024年3月28日(木)から常時(※店舗休館日は除く)
実施店舗:三陽商会が運営する直営店全店並びに一部百貨店内の三陽商会のブランド各店舗
回収対象品:三陽商会が製造した衣料品・バッグなどの雑貨製品
詳細ページ:https://www.sanyo-shokai.co.jp/sustainability/environment/collect/
<参照>
【三陽商会】リユースを前提とした新たな衣料回収活動を3/28(木)開始。「SANYO RE: PROJECT」
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