経済的に困っている子育て家庭に対して、物資提供をしながら見守り活動を行う取り組み「こども宅食」をご存じでしょうか。
これは、2017年に文京区で始まった取り組みで、現在では39都道府県の193団体が実施するまで広がっています。
「返礼品なし」のふるさと納税
最初に始めた文京区では、区内で経済的に困っている子育て家庭に2カ月に1度、食品などの配送を通して支援しています。
自治体が抱える課題を解決するためのプロジェクトの活動資金をふるさと納税で募る「ガバメントクラウドファンディング」を活用しており、返礼品は用意せず、全額が事業運営にあてられています。
配送する食品の多くは、企業の寄付による食品(米・パスタなどの常温保存のできる食品、合わせ調味料、飲料、菓子など)。クラウドファンディングで集めている資金は、追加の食料購入費、事業の運営資金(宅配準備費、人件費、広告宣伝費など)に活用されるそうです。
さらに、食品配送をきっかけとして、LINEを活用した情報配信や相談対応などもおこなっており、その家庭に必要なサービスにつなげることも。「ゆるやかに見守り、必要に応じて他の社会資源につなげています」といいます。
2024年4月現在では、文京区内の約800世帯の家庭が利用しているとのこと。文京区内に在住し、18歳以下のこどもがいる生活困窮世帯(児童扶養手当受給世帯、就学援助利用世帯など)であれば、希望すれば受けられるそうです。
ランドセルやぬいぐるみも追加で支援
また、文京区こども宅食では「こどもの頃に体験の機会をもってほしい」という想いのもと、食品の定期配送にとどまらず、体験機会の提供も行っているそうです。
文京区こども宅食の運営団体「こども宅食コンソーシアム」が行った調査によると、経済的に厳しい家庭では、「塾へ通わせる」「家族旅行に行く」「スポーツ観戦をする」などの体験機会をもてない、という結果になったそうです。
これをもとに2023年度は、寄付企業の協力により、野球観戦やコンサートへの招待などを行ったとのこと。それ以外にも、ランドセルなどの学用品、ぬいぐるみやおもちゃなどの支援もしたといいます。これを機に、家庭からの相談が寄せられることにつながったこともあったそうです。
さらに、物価高騰などによる家計への影響を鑑みて、定期便の配送に加え、数々の支援を実施しています。
2024年度の文京区こども宅食のクラウドファンディングは、2024年4月2日(火)~2025年3月30日(日)の間で受付中。寄付金額7,146万円を目指しています。
文京区こども宅食のクラウドファンディング:https://www.furusato-tax.jp/gcf/2954
<参照>
【文京区こども宅食】2024年度のふるさと納税型クラウドファンディングを開始
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