人間関係を円滑にするためには相手を褒めることが大切です。ビジネスシーンでも、部下やチームメンバーを称賛することで、チームの雰囲気をよくするだけではなく、仕事を円滑に進めるにも役立ちます。
褒めたほうがいいとはわかっていても、「いい言い方が思い浮かばない」「どうやって褒めればいいの?」などと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ビジネスで使える褒め言葉「さしすせそ」などをシーン別に紹介。ビジネスシーンに特化した褒め言葉一覧もご紹介するので、褒め言葉を探している人は参考にしてください。
- 覚えておきたいビジネスシーンでの褒め言葉「さしすせそ」
- 【シーン別】喜ばれる褒め言葉一覧
- 相手を褒めるときに気をつけておきたいこと
ビジネスシーンで褒めることの重要性
誰かに「頑張ったね」と褒められると、「認められたようで嬉しい!」「また頑張ろう」と嬉しくなった経験は多くの人にあるでしょう。
ビジネスシーンではコミュニケーションを取り、よい雰囲気を作ることが非常に大切です。褒めることで相手のモチベーションをアップさせたり、「好意の返報性」によって、相手からの好意が返ってきたりなどと、お互いにメリットしかありません。
ビジネスパーソン必読の、「D・カーネギー 」の著書『人を動かす』では、「人に好かれる六原則」や「人を変える九原則」でも褒めることの必要性が説かれています。
覚えておきたいビジネスシーンでの褒め言葉「さしすせそ」
上手に相手を褒めるときに使用したい言葉、褒め言葉の「さしすせそ」を知っていますか?
褒め言葉「さしすせそ」とは、使い勝手の良い、褒め言葉の初めの文字をとったもののことをいいます。ビジネスシーンで使用できる褒め言葉「さしすせそ」を以下でご紹介します。
- さ:「さすがです」「最高ですね」
- し:「知らなかったです!」
- す:「すごいですね」「素晴らしいです」「素敵ですね」
- せ:「センスがありますね」
- そ:「そうなんですか?!」「尊敬します」
むやみに多様すると「心がこもっていない」「お世辞のように感じる」と思われる可能性もありますが、どのような言葉で褒めたらいいのかわからない人は、すぐに使える褒め言葉として頭に入れておくとよいでしょう。
【シーン別】喜ばれる褒め言葉一覧
「褒めたい」と思っていても、なかなか褒め言葉が出てこない人も多いのではないでしょうか。相手を褒めたいと思ったときにパッと褒め言葉が出てくるようにするために、褒め言葉の語彙力を増やしてみましょう。
以下では、シーン別に喜ばれる褒め言葉一覧をご紹介します。
後輩・同僚向け
後輩や同僚を褒める際は、一つひとつの行動に目を向けることなど相手の立場に立って褒めることを意識するといいでしょう。
- 仕事のスピードも精度も上がったね
- 君ならできると思ってたよ
- 部屋掃除してくれたの?気がきくね
- 本当に助かるよ。ありがとう
- 資料すごくわかりやすかった。ありがとう
- 毎日の勉強の成果だね。頑張ったね
- 周りへの配慮ができていて、気持ちよく働けるよ
- 〇〇さんが褒めてたよ
小さなことでも気づいたら褒めることで、「努力した部分は認めてもらえる」「評価してもらえる」とポジティブな気持ちになります。また、自分の行動が承認されたことで自信がつくので、次回の行動を促すことにもつながります。
また、直接的に褒めるのではなく、第三者が褒めていたことを伝えることも有効です。あなたが褒めたい後輩がいる場合でも、後輩に直接伝えるだけではなく、周りの人にもポジティブな感想を伝えることで、間接的に褒めていたことが伝わるでしょう。
先輩・上司向け
先輩や上司などの目上の人に「すごい」と思っても、失礼かもと不安になってなかなか言葉に出すことは難しいですよね。以下では失礼にならない、先輩や上司の褒め言葉一覧をご紹介します。
- とても勉強になります
- 博識ですね
- 尊敬しています
- 上品ですね
- 〇〇さんを一生超えられる気がしません
- どうしたら〇〇さんみたいに仕事ができる人になれますか?
- XXしてくださって、ありがとうございます
先輩や上司の場合は、すごいと思っている部分を「自分もどうしたら同じようにできるのか」と教えを請うこともおすすめです。おすすめの書籍や、仕事のやり方などを伺った後は、自分もすぐに行動に移し、感想を伝えることで、自分のスキルアップにつながるだけではなく、先輩や上司からの評価も上がります。
取引先向け
取引先を褒めるときは、上司を褒めるときと同じように失礼にならないように褒めることが大切です。取引先の人が不快な気持ちにならないように、気をつけて褒め言葉を伝えましょう。
- 貴社の技術には感服いたしました
- 非常に簡潔でわかりやすいご説明、ありがとうございます
- まさに求めていたものです
- 期待していた以上の仕上がりで感動いたしました
相手を褒めるときに気をつけておきたいこと
褒めることは重要ではあるものの、闇雲に人を褒めると、「適当なことを言っている」と思われてしまうことも。以下では、相手を褒めるときに気をつけておきたいことをご紹介します。
笑顔で伝える
怒った顔で「がんばったね」と言われても、自分の気持ちは相手に伝わらないもの。顔と言葉が一致していることで、相手は納得感を得られます。
相手を褒めるときは、笑顔で伝えることを意識しましょう。また、非言語コミュニケーションである声の高さ・身振り手振りなどにも気を配れるといいですね。
関連記事:ノンバーバルコミュニケーションとは?非言語コミュニケーションの具体例や、活用するメリットを紹介
他の誰かと比較して褒めない
他の誰かと比較して褒めると、比較対象の相手に対して罪悪感を抱かせたり、その言葉を聞いてしまった相手を傷つけたりしてしまいます。
人を褒めるときは、他の誰かと比較して褒めてはいけません。比較対象が、過去の相手の場合は問題ありませんが、会社内の誰かと比較しないように気をつけましょう。
お世辞を言わない
褒めることばかりを意識して、お世辞を言っている人もいるのではないでしょうか。
お世辞を言っていることはなんとなく相手に伝わり、媚を売っていると逆に悪い印象を与えてしまうことも。お世辞を言うのではなく、心の中でいいなと思ったことを声に出すことを意識しましょう。
また、大げさに伝えすぎるものNGです。あくまでも本当に良かったと思ったときに、そのことを言葉にして伝えることを意識してください。
具体的に褒める
「すごいね」「いいね!」という短く簡潔な言葉のほうが伝わるシーンもありますが、具体的にどのような内容がいいのかを伝えてあげるより喜ばれる褒め言葉になります。
「この提案書、事例も豊富でわかりやすいよ!」「デザインがスッキリしていて、文章も簡潔にまとまっていて、とても伝わりやすい企画書だね」など、何がどういいのかを意識して伝えてあげましょう。
容姿や体型などに触れない
ビジネスシーンで褒めるべきは、努力や行動の点であり、容姿や体型などに触れてはいけません。「綺麗だね」などの言葉はもちろん褒め言葉ですが、容姿や体型などのセンシティブな内容に口を出すことで、セクシュアルハラスメントになる可能性もあります。
良かれと思って言うことで、相手を不快にさせないように気をつけてください。
関連記事:ポリコレの意味とは?具体例や、課題・推進のための方法など基礎知識を解説
褒めるときはタイミングを選ぶ
褒められることを何もしていないときに、「頑張ってるね」と褒め言葉だけをかけても相手には響きません。褒めるときはタイミングを選ぶことを意識しましょう。
おすすめのタイミングは、単純に感心したとき、成果や努力が実ったときなどです。心の赴くタイミングで褒めるといいですね。
質問形式で褒める
謙遜をしがちな相手には、質問形式で褒めることをおすすめします。
例えば「〇〇さん、前回と比べて資料がすごくよくなったよ!いいね!」という褒め言葉に加えて「どうしてそんなに上達したの?」と聞くとGOOD。質問形式で聞くことで、相手が素直に褒め言葉を受け入れるようになります。
間接的に相手に伝える
第三者から聞く話は信憑性が高まるという心理的な効果を「ウィンザー効果」といいます。このウィンザー効果を利用して相手を褒めると、相手はよりその褒め言葉を信じ心から喜んでくれるでしょう。
例えば「〇〇さんが君のことをすごく気が利くって言っていたよ」と伝え、「いつも共用スペースの掃除をしてくれたり、本当に真面目だよね。いつもありがとう」と、伝聞に加え自分の言葉で褒めると褒め言葉が相手に響きますよ。
避けたほうがいい「たちつてと」とは?
褒め言葉「さしすせそ」とは逆に、コミュニケーションでは言わないほうがいい「たちつてと」があります。以下の言葉を口に出してしまいがちな人は、言わないように気をつけましょう。
- た:たいしたことない
- ち:ちがう
- つ:つまらない
- て:適当で
- と:とんでもない
相手に褒めてもらったときに使用する「とんでもない」は、謙遜の言葉ではありますが、相手の言葉をきっぱりと拒否するイメージを抱かせてしまいます。相手の気持ちを拒否するのではなく、「ありがとうございます」などと素直に喜ぶほうが無難ですよ。
心から褒めたい内容を躊躇せずに伝えよう
- 本心から褒めることで、人間関係が円滑になる
- 後輩や同僚を褒めるときは、相手の成長や行動に目を向ける
- 上司や取引先などの目上の人を褒めるときは、失礼にならないようにする
本記事では、ビジネスシーンで使用できる褒め言葉について詳しくご紹介しました。
後輩や同僚を褒めるときは、前と比べて成長したことなど一つひとつの行動に目を向けて褒めることをおすすめします。また、上司や取引先などの目上の人を褒める際は、言葉選びに注意しましょう。
本記事を参考に、喜ばれる褒め方を覚えて実践してみてはいかがでしょうか。
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