HOMEライフスタイル 梅干し農家を救いたい 法改正で廃業増、梅産地の製造所を整備するクラウドファンディングが開始

梅干し農家を救いたい 法改正で廃業増、梅産地の製造所を整備するクラウドファンディングが開始

川上雅結

2024/04/03(最終更新日:2024/04/03)


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梅干しの製造・販売をおこなう株式会社うめひかりは、3月29日(金)~6月1日(土)にクラウドファンディングプロジェクト「無添加梅干しの継承!全国の梅産地に梅干し製造所をつくる!」を実施しています。

なぜ梅農家が減っているの……?

食をとりまく環境変化・国際化などに対応し、食品の安全を確保する目的で、2021年6月に施行された改正食品衛生法。この法改正で、梅干しを含む漬物を販売するためには「漬物製造業許可」の取得が必要となりました。

この許可を得るには、原材料を洗浄するシンク設備と器具などを洗う洗浄設備のどちらも必要で、農家の規模によっては新たな設備投資が必要となります。

改正から3年間の2024年5月末までは、経過措置で追加設備が整わずとも販売ができますが、それ以降は営業許可なしでの販売ができなくなります。

また、梅農家でも高齢化が進んでおり、高齢者の中には生計を立てる目的以上に、生きがいとして梅干しづくりを行っている人も多いそうです。

このような人々は、法改正に伴った多額な設備投資を行うことは難しいため、これを境に廃業を選択する梅農家も増えているようです。

“梅ボーイズ”の挑戦

株式会社うめひかりの代表である山本将志郎氏は、1904年(明治37年)創業の和歌山県にある梅農家生まれ。梅産地の高齢化の現状を知り「面白い・やりがいがある」と思える農業を創り、梅干しを次世代につなぐと決意。2019年に梅干し屋を開業しています。

また、全国から新規就農者を募り、“梅ボーイズ” として10人の梅農家を誕生させる取り組みも行っているそうです。

クラファンのお金は何に使う?

梅産地の人たちと連携して、梅干しの製造販売をするために必要な「漬物製造業許可」を取得するため、要件を満たす製造所を整備する支援に使うとのこと。

「日本の伝統食・梅を後世に残したい」という想いを持った“梅ボーイズ”。これまで培ってきたノウハウや自分たちの経験を共有し、無理なく小さい規模でも梅干し製造を行えるようサポートをしていくといいます。

まずは愛知県と神奈川県からプロジェクトを開始していく予定です。

<参照>

食品衛生法改正により存続の危機に陥る手づくり梅干し!「梅ボーイズ」が、全国の梅産地の製造所を整備するクラウドファンディングを3月29日開始|株式会社うめひかり

食品衛生法の改正について|厚生労働省

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