マーケティング活動のうち、新規顧客を獲得する活動を「リードジェネレーション」と呼びます。商品・サービスの受注数や購入数を増やすには、リードと呼ばれる見込み顧客の集客が必要です。
そんな「リードジェネレーション」について解説。主な手法や事例などもご紹介します。
- リードジェネレーションとリードナーチャリング・リードクオリフィケーションの違いとは?
- リードジェネレーションの主な手法10選
- リードジェネレーションを成功させる7つのポイントを解説
リードジェネレーションとは?
マーケティング領域で耳にする「リードジェネレーション」。マーケティング活動を大きく3つに分けたときの1つのプロセスで、「見込み顧客の獲得」を意味します。活動のポイントやリードナーチャリング・リードクオリフィケーションとの違いを解説します。
リードジェネレーションとは「見込み顧客の獲得」
リードジェネレーションとは、見込み顧客(リード)を獲得するためのマーケティング活動のことを指します。
自社の商品やサービスの売上や成約率を向上させるには、商品やサービスに興味・関心があるユーザーにアプローチするのが基本です。そうした将来的に顧客になる可能性があるユーザーのことを見込み顧客と呼びます。
リードジェネレーションは、見込み顧客の数を増やし、次のリードナーチャリング(見込み顧客の育成)に繋げるための重要な活動のひとつです。
リードナーチャリングやリードクオリフィケーションとの違い
見込み顧客の獲得から、顧客が商品を購入するまでのプロセスは、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの3つに分けられます。
リードジェネレーションが「見込み顧客の獲得」であるのに対して、リードナーチャリングは「見込み顧客の育成」を、リードクオリフィケーションは「見込み顧客の選別」を意味します。それぞれ活動の内容は異なりますが、マーケティング活動はこれら3つをリレー形式で行っていくことで成立し、そこから商品・サービスの売上向上や商談の成功などに繋がっていきます。
リードジェネレーションの10の代表的な手法
次に、リードジェネレーションを行う10の代表的な手法を紹介します。
オフライン
まずは、リードジェネレーションで活用されているオフラインの手法をいくつかご紹介します。オフライン施策は顧客と直接コミュニケーションを取れるのがメリット。その場で商談化・アポイントメントに繋がる可能性もあります。
セミナー
セミナーは、自社の商品・サービスに興味関心がある層を集客する方法です。比較的、強い興味関心があるリードの獲得が見込めます。
来場者と直接やり取りができるため、購買意欲の向上や自社へのイメージアップが狙えます。また、セミナー終了後にアンケートを取ることで、来場者の情報を集めることが可能です。
最近ではオンラインで行われる「ウェビナー」も一般的になってきました。会場の手配や集客の面でコストや手間がかかりにくく、また多くの参加者を募れるという点でもおすすめの手法です。
テレアポ(電話営業)
テレアポ(電話営業)は、従来リードジェネレーションの手法として取り入れられてきた手法です。商品やサービスの購入を検討していたり、他社と比較検討していたりする層に対してアプローチできます。
人員が揃っていれば下準備なしで実施できるため、導入しやすい手法でもあります。一方で、一度断られると再アプローチがしにくい他、テレアポをかける担当者の心理的負担が大きいのはデメリットです。
DM(ダイレクトメール)
DM(ダイレクトメール)もテレアポと並んで昔から活用されているリード獲得の手法です。DMには、FAX・郵送・メールと様々な方法があります。郵送やメールが有効とされていましたが、近年はFAXによる効果も上がっている傾向にあります。
セミナーや展示会などのお知らせに加えて、資料請求の案内を同梱することで、リードとの接点を創出できます。
参考:ネオマーケティング「BtoB企業のマーケティング施策に関与する1000人に聞いた「コロナ前後のBtoB企業のマーケティング活動に関する調査」」
イベント・展示会
イベントや展示会にブースを出展し、来場者との名刺交換を行うことでリード獲得に繋げることも可能です。イベントや展示会の規模によっては、数百〜数千単位でのリードを創出できる可能性があります。
来場者に興味関心を持ってもらうには、ブースの内容や配布するパンフレットを工夫する必要があります。来場者が求めている情報から、訴求するポイントを絞りましょう。
イベントや展示会でリードを創出する手法は、自社のみで集客する必要がないこともメリットです。来場者に対して効率よくアプローチが行えます。
オンライン
リードジェネレーションで活用されているオンラインの手法をいくつかご紹介します。なかには、短期間で成果が現れる手法や低コストで実施できる手法もあります。
SNS
SNSを活用し、キャンペーンや広告出稿を通してリードを獲得できます。SNSマーケティングでよく利用されているサービスは、X(旧Twitter)・Facebook・Instagram・TikTokなどです。
SNSマーケティングはBtoCのイメージが強いですが、最近ではBtoBのマーケティングでも活用されています。キャンペーンや広告出稿でユーザーからのアクションを待つ他、自社の商品・サービスについて投稿しているユーザーに対してアプローチを行う方法もあります。
オウンドメディア
オウンドメディアのコンテンツを作成し、検索エンジンやSNSからリードを集客するリードジェネレーション方法もあります。検索ボリュームのあるキーワードを選定し、そのキーワードで検索するユーザーの課題を解決するコンテンツを作ります。
一定数のユーザーを集客したり、集客数を上げたりするにはコンテンツを上位表示させることが必要ですが、オウンドメディアのコンテンツは成果が出るまで時間がかかります。短期間で効果が得られる施策と組み合わせて実施しましょう。
リードジェネレーションサービス
BtoB向けのツールやサービスを掲載し、ページを訪れたユーザーを企業のLPに誘導するのがリードジェネレーションサービスです。掲載費用はかかりますが、自社でSEO対策を行わずに多くのユーザーと接点を持てるのがメリット。短期間での成果が出やすい手法でもあります。
関連記事:【おすすめ9選】MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?CRM・SFAとの違いや主な機能、メリット・デメリット、選び方を解説
テレビやラジオのCM
不特定多数のユーザーに対して効率的にアプローチできる手法がテレビやラジオのCMです。ビジュアルや音声を利用して、視覚情報や聴覚情報で自社の商品・サービスを認知してもらえるのが最大のメリットです。
多くのリードを獲得できる一方で、非常に費用がかかります。特に、テレビCMは1本あたりの費用が40〜100万円と高いうえ、そこに制作費もプラスされるので、一度に500万円前後の費用がかかります。
反響は大きいものの何度も実施できる施策ではありません。他の手法と掛け合わせて効果の最大化を行いましょう。
参考:一般社団法人 日本民間放送連盟「データでわかるテレビの広告効果」
Web(デジタル)広告
SNS広告やリスティング広告など、Web上で流す広告のことをWeb(デジタル)広告と呼びます。低単価で実施できるうえ成果が出やすいため、リードジェネレーションの手法として近年注目されています。
Web広告には、SNS広告・リスティング広告・ディスプレイ広告・リターゲティング広告・記事広告・準広告などの種類があります。ターゲットとしているユーザーが目にしやすい媒体や手法をきちんと選ぶことができれば、高い効果が期待できます。
リードジェネレーションの成功事例
企業のDX支援を行う株式会社GIGは、自社のサイトにて「新規顧客獲得のための成功事例集」というホワイトペーパーを無料で提供しています。自社と同じ業種の企業がどのようにリードを獲得しているのか、成功事例から学べることは数多くあります。
また、31ページにも及ぶ資料では、成功事例だけでなく、リードを獲得するための手法や成果を出すポイントなども紹介されています。これからリードジェネレーションに取り組む企業はぜひ参考にしてみてください。
参考:PR TIMES「無料配布資料「新規顧客獲得のための成功事例集」の提供を開始しました!【LeadGrid】」
リードジェネレーションを成功させる7つのポイント
リードジェネレーションを成功させる7つのポイントをご紹介します。これらを意識することで質の高いリードの獲得が望めます。自社の取り組みと照らし合わせて、実施できているかどうかをチェックしてみてください。
適切なリードジェネレーションの手法を選ぶ
リードジェネレーションを目的とした活動を行う際、まずは成果が出やすい手法から始めていきましょう。
最初に実施するリードジェネレーションの手法としては、デジタル広告がおすすめです。低単価で行えるうえに、ターゲットへのリーチ数やターゲットのアクション数などを1日単位で把握できます。
例えば、SNSやオウンドメディアは成果が得られるまで比較的時間がかかります。活動の蓄積が結果的に資産となるため取り組むこと自体は誤りではありませんが、短期間では成果に繋がらないため、中長期的な目線で取り組むことが必要です。
短期間で成果が出る手法と、中長期で成果が期待できる手法を同時進行することが理想です。
KPIを設定する
リードジェネレーションの活動は多岐にわたります。KGIを最短距離で達成するには、中間の目標であるKPIを手法ごとに設定することが必要です。
例えば、オウンドメディアであればサイトの来訪者数やホワイトペーパーのダウンロード数などをKPIとして設定することが考えられます。KPIを設定することで、目標から逆算した際にやるべきことが明確にできる他、チームで同じ目標・方向を向けるというメリットもあります。
自社のターゲットと一致するリードを集める
リードジェネレーションでは、自社のターゲットと一致するリードを集めることも大切なポイントです。リード獲得数ももちろん大切ですが、獲得した見込み顧客はリードナーチャリング・リードクオリフィケーションとバトンを繋げていくため、リードの質も意識する必要があります。
受注履歴や顧客情報から、自社のターゲットの特徴を把握できます。確度の高いリードを集め、効率的に受注や成約に繋げていきましょう。
リード情報を分析し、施策への活かし方を考える
リードジェネレーションにより獲得したリードの情報は、次の施策を行う際に活かすことができます。例えば、どのような方法で情報に接触したのかや、リードの属性などの情報は、次の施策で計画を立てる際のひとつの指標となります。
リードの情報を蓄積するだけでなく分析する癖をつけておくことで、リードジェネレーションのさらなる効率化や成功に繋げられます。
カスタマージャーニーを基にリードを管理する
リードジェネレーションにより獲得したリードは、カスタマージャーニーを基に管理することが必要です。カスタマージャーニーとは、ユーザーが商品・サービスを認知するところから、購買に至るまでの道筋を視覚化したマップのようなものです。
あるリードは興味関心が情報を調べるステージ、あるリードは他社との比較ステージなど、リードはそれぞれステージが異なります。リードに対して適切なアプローチを行い、受注や成約に繋げるには、リードがどのステージにいるのかを管理することが必要です。カスタマージャーニーを用いれば、見込み顧客を逃さず獲得できます。
個人情報の管理・取り扱いを厳格にする
アンケートや資料ダウンロードの際に個人情報を記入する必要がある場合は、個人情報の管理・取り扱いについて明示しておきましょう。
ユーザーは不要な営業電話や営業メールが来ることを嫌がります。また、個人情報が悪用されたり、流出されたりすることに対して強い警戒心を抱いているユーザーも多く存在します。
サイト内やアンケートフォーム内には、個人情報保護の方針やセキュリティの内容などを可能な限り明記しておきましょう。ユーザーが安心してアクションできる環境を整えることで、リード獲得がしやすくなります。
リードが受注に繋がるまでの流れを確認する
リードが商品・サービスを認知し、購入や成約に至るまでの流れとは、リードの行動プロセスのことを指します。全体の流れを把握し、各リードがどのプロセスにいるのかを分類することができれば、プロセスごとに適切なアプローチを行えるため、受注や購買に繋げやすくなります。
リードジェネレーションの手法を理解し、実践しよう
- 成果が出やすいリードジェネレーションの手法から実施しよう
- オンライン・オフラインにこだわらず、複数の手法を掛け合わせて効果の最大化を狙おう
- リードのステージに合わせた適切なアプローチを行うにはカスタマージャーニーに基づいた管理が必要
リードジェネレーションの手法は、オンライン・オフラインどちらも様々あります。本記事を参考に、手法ごとの特徴やメリットを理解し、リードのステージやリード獲得の目的に合わせて適切な手法を選択しましょう。
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