小林製薬株式会社(以下、小林製薬)が販売していた、「紅麹(米麹の1種)」を原料とするサプリメントの摂取から健康被害が広がり、問題となっています。
厚生労働省が3月28日(木)に発表した、小林製薬から紅麹原料が供給された企業173社を対象として、帝国データバンク(以下、TDB)が調査を行いました。
食品約1,800社に影響か
紅麹原料が供給された企業173社から仕入れ、販売などの取り引きがあるという飲食料品製造業者は、調査の結果1,778社に上りました。
そのうち、納豆などのほか調理パン・弁当などの製造が最も多い267社に。続いて、塩辛や佃煮、削節などの製造が190社、かまぼこなどの「水産練り製品製造」が175社と、水産品に関連する業種が上位を占めました。
ほかには、和菓子など「生菓子製造」(128社)のほか、「醤油・アミノ酸製造」(79社)や「野菜漬物製造」(71社)など、発酵食品に関連する業種も目立っています。
TDBによると、二次販売先の企業なども含めると、関連製品の流通・販売は全国3.3万社に上る可能性があるということです。
「流通先の特定は長期にわたり難航」
TDBは、紅麹は原材料以外にも、着色料などとして使用されることも多いこと、2次加工・3次加工では使用有無の確認に時間を要するとみられることなどから、「流通先の特定は長期にわたり難航する可能性が高く、販売企業などでは事態の収拾まで対応の長期化が想定される」と指摘しています。
自主回収を受付中
小林製薬は、同社の通信販売を通じて「紅麹コレステヘルプ」の15日分、30日分を購入した人、ドラッグストアなどの店舗やECサイトで同製品の20日分、「ナイシヘルプ+コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」を購入した人に対して、当該製品の使用を中止し、対象製品の自主回収を受け付けています。
<参照>
小林製薬「紅麹」、食品1800社に影響の可能性 関連製品の流通・販売は全国3.3万社 TDB推計
紅麹関連製品の使用中止のお願いと自主回収のお知らせ(第6報)
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