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僭越ながらの意味と類語、ビジネスシーンでの正しい使い方・例文を紹介

U-NOTE編集部

2024/04/01(最終更新日:2024/04/01)


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「僭越ながら」は「地位や身分を越え、出過ぎたことをしますが」という意味の表現です。目上の人に意見するときをはじめ、へりくだるときに使います。

本記事では「僭越ながら」の意味や正しい使い方を例文つきで紹介。同じ意味の言葉もいくつか紹介するので、適切に言い換えられるよう頭に入れておきましょう。

本記事の内容をざっくり説明
  • 「僭越ながら」の意味と読み方、正しい使い方
  • シーン別の例文
  • 「僭越ながら」の言い換え表現

 

「僭越ながら」の意味と読み方

僭越ながら(せんえつながら)は「地位や身分を越えたことをする」「出過ぎたことをする」という意味の言葉です。「地位や身分を越え、出過ぎたことを言いますが」のように、言動を取る前置きとして使われることが多いです。

 

「僭越ながら」のビジネスシーンでの正しい使い方

「僭越ながら」はビジネスシーンをはじめ、かしこまった場面で使われることが多い表現です。具体的にどのような場面で使えばいいのか、どう使うのが正しいのかを解説します。

謙遜すべき場面で使う

「自分の地位や立場を超え、出すぎた言動を取る」という意味を持つ「僭越ながら」は、謙遜すべき場面で使うのが基本です。たとえば会議中に自分より上の役職の人の意見に反対したり、上司の顧客に代わりに対応をしたりといった場面で使うことが多いです。

自分に対して使う

「僭越ながら」は自分に対して使う表現です。自分以外の人に対して使うと、相手の立場を下げていることになるため、失礼に思われてしまうでしょう。

「〇〇部長からご紹介いただきましたxxと申します。僭越ながら、本日は私が対応いたします。」のように、「僭越ながら」が自分にかかるように使うのが正しい使い方です。

「僭越ながら、〇〇部長からご紹介いただきましたxxと申します。」だと、意味は変わらなくとも、「僭越ながら」が部長にかかってしまいます。

硬すぎると感じるなら言い換える

「僭越ながら」はやや硬い表現です。多用するとかえって相手を恐縮させたり、いやみな印象を与えたりしてしまうこともあります。詳しくは記事後半で紹介しますが、「恐れながら」「お言葉ですが」など、言い換え表現も使いこなせるようにしておきましょう。

 

【シーン別】「僭越ながら」を使った例文

「僭越ながら」はどのように使えばいいのか、シーン別の例文を紹介します。

ビジネスシーン

次の例文のように、「僭越ながら」はビジネスのさまざまなシーンで使えます。

【例文】
  • 〇〇が不在のため、僭越ながら本日は私が対応いたします。(担当者不在で代わりに対応する場合)
  • 僭越ながら、私はその意見に賛成できません。(会議で上司や役員の意見に賛成できない場合)
  • 僭越ながら、私の意見を発表させていただきます。(会議で発言するとき)

飲み会

「僭越ながら」は送別会や慰労会などの飲み会の挨拶でも使える表現です。

【例文】
  • ご指名をいただいきましたので、僭越ながら乾杯の音頭を取らせていただきます。
  • 僭越ではございますが、部下を代表してご挨拶させていただきます。

結婚式

「僭越ながら」はビジネスシーン以外でも、結婚式をはじめとするかしこまった場面でも使えます。

【例文】
  • 新郎友人の〇〇と申します。誠に僭越ながら、友人代表としてお祝いの言葉を述べさせていただきます。

メール

「僭越ながら」は口頭だけでなく、メールでも使える表現です。多用しないよう言い換え表現も混ぜながら、適切に使いましょう。

【例文】
  • いつもお世話になっております。

    株式会社□□□、営業部の□□□□です。

     

    先日はお忙しいなか、打ち合わせの場を設けていただきまして、誠にありがとうございます。

     

    誠に僭越ではございますが、今回の件に関しましてはご要望にお応えいたしかねます。

    ご期待に沿えず、申し訳ございません。

     

    メールにて恐縮ですが、とり急ぎお返事を伝えたく連絡いたしました。

    なお、ご不明の点やその他のご要望などございましたら、 いつでも担当の□□までお申しつけください。

     

    引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

    (以下署名)

 

「僭越ながら」の言い換え・類語表現

最後に、「僭越ながら」の言い換えや類語表現を紹介します。

及ばずながら

「及ばずながら」は「力不足かもしれませんが」「期待に応えられないかもしれませんが」という意味の言葉です。「僭越ながら」が自分の地位や立場に対して使う言葉なのに対して、「及ばずながら」は自分の能力に対して使います。

微力ながら

「微力ながら」も自分の能力に対して使う表現です。「自分の能力が足りないかもしれない」「わずかな力ではありますが…」というように、自分の力量を指してへりくだる表現です。

憚りながら

「憚りながら」は「遠慮しながら」「生意気なことを言いますが」のような意味の表現です。自分よりも地位や立場が上の人に意見を伝えるときに使える表現で、「僭越ながら」と同じように使えます。

出過ぎたことですが

「出過ぎたことですが」は「僭越ながら」とほぼ同じ意味の表現です。自分よりも地位や立場が上の人に意見を言ったり、自分の立場や役割を超えた言動を取ったりするときに、クッション言葉として使います。

恐縮ですが・恐れ入りますが

「恐縮ですが」「恐れ入りますが」は、自分がへりくだり、相手を立てるときに使う表現です。目上の人に意見するときや、相手の厚意を断るときなどによく使われます。

「恐れ入りますが、〇月〇日までにお返事をいただけますか?」のように、相手に何かを依頼するときにも使えます。

失礼を承知のうえで

「失礼を承知のうえで」は、自分がこれから取る言動が失礼であることをわかったうえで、それでも言わなければ(やらなければ)いけないという意味の表現です。目上の人に意見するとき、言いづらいことを言わなければならないときによく使います。

 

「僭越ながら」は適切なシーンと頻度で使おう

本記事のまとめ
  • 「僭越ながら」は「自分の地位や立場を超えて出過ぎたことをしますが」という意味
  • 僭越ながらは自分に対して使う言葉
  • 言い換えや類語を混ぜながら、適切なシーンと頻度で使おう

「僭越ながら」は「自分の地位や立場を超えて出過ぎたことをしますが」という意味の言葉です。目上の人に意見するとき、自分にふさわしくない大役を任されたときなど、恐縮している気持ちを伝えたいときに使います。

僭越ながらは自分に対して使う言葉です。「僭越ながら、〇〇部長からご指名いただきましたので、挨拶をさせていただきます」のように使うと、相手の立場を下げることになり失礼にあたります。「〇〇部長からご指名をいただきましたので、僭越ながら挨拶をさせていただきます」のように、自分の言動にかかるように使いましょう。

また、「僭越ながら」はやや硬い表現です。類語や言い換え表現も混ぜながら、多用しすぎないように気をつけましょう。

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