HOMEライフスタイル きっかけは障がい当事者になったことーーユニバーサルデザインの視覚障害者歩行誘導マットを開発

きっかけは障がい当事者になったことーーユニバーサルデザインの視覚障害者歩行誘導マットを開発

青木一真

2024/03/29(最終更新日:2024/03/29)


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創業88年を迎えるという大阪のゴムメーカー、錦城護謨(読み:きんじょうゴム)株式会社は、視覚障がい当事者のアイデアをもとに開発したという視覚障害者歩行誘導マット「歩導くん ガイドウェイ」を販売しています。

全盲の考案者が生んだ歩行支援マット

「歩導くん ガイドウェイ」は、開発者が後天的な理由で全盲になったことがきっかけで誕生したという製品です。

視覚障がい者向けの点字ブロックなどの「誘導路」がない場合、自分ひとりでは行きたいところにいけず、不自由さを感じたことが、開発の契機となったとのこと。

錦城護謨は、製品開発後に全国の営業所を活用した販売支援として参画し、現在では幅・素材・色の3点に改良を加えた同社製造の視覚障がい者用歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」として製品化しています。

「歩導くん ガイドウェイ」は、表面に凹凸がなくなだらかな傾斜であることが特徴。屋内専用のゴム製で、白杖で叩いたときの床の音や当たり心地、足裏から伝わる感触の違いによって、視覚障がい者を目的地まで安全に誘導できるように設計したそうです。

視覚障がい者に道を示しながらも、従来の視覚障害者誘導用ブロック上を通行しづらい、車イス利用者や肢体不自由者、高齢者、ベビーカー利用者らも含めて自由に移動できるというユニバーサルデザインな誘導路です。

ソーシャルプロダクツとして利用拡大を目指す

「歩導くん ガイドウェイ」は、2015年の発売以来、公共施設や病院、オフィスビルなど、国内でシリーズ累計1,200カ所以上で導入されているそうです。ソーシャルプロダクツアワード2024において「優秀賞」を受賞しました。

豊富なカラー展開や受注生産にて特注色の製作が可能なことから、既存の建物への導入だけでなく、建築空間の設計段階から「インクルーシブデザインへの取り組み」の加速を目指しているとのことです。

<参照>

点字ブロックのその先の通行をサポート!大阪の老舗ゴムメーカーが【建築・空間のインクルーシブデザイン】を加速させる

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