「未来を試せる集合住宅」として、大阪ガス株式会社が運営するNEXT21(大阪市天王寺区)。
居住環境や設備の在り方を見据えて、最先端の住まいを建設したというこの集合住宅は、1993年に竣工され、居住実験開始から30周年を迎えました。
コンセプトにあわせて住居や内装を変更
NEXT21は、建物の骨格となる構造躯体(スケルトン)と、生活に合わせて自由に変更できるインフィル(住戸・内装部分)に分けて考えられたという「スケルトン・インフィル方式」を採用した集合住宅です。
ふれあいのスペースとなる「立体街路」、地上から屋上まで約1,000㎡の植栽が積み重なる「建物緑化」などが特徴だといい、独自のコンセプトを設計・建築したというそれぞれの住戸には、コンセプトに沿った家族や単身世帯が実際に暮らしています。
全住居がそれぞれ異なるテーマを実証
都市ガス事業者ならではといえる「ウィズガス住宅」のアイデアからデザインしたという「202 暖快の家」は、団塊世代の夫婦が暖かく快適に暮らせると同時に、環境や人にやさしい住宅であることがコンセプト。
2013年に行われた設計パートナー・コンペティション最優秀賞を受賞したという「404 4G HOUSE」は、高齢化や少子化を視野に入れた住居です。
「4つの世代(Generation)、4人の女性(Girls)が暮らす住まい」がコンセプトだといい、いくつかの少規模世帯が集まって、相互にサポートしながらも、各々が自立し、イキイキと暮らせる「新しい住まいのカタチ」を作ろうという取り組みのようです。
災害時に備える実験も
NEXT21では、頻発する自然災害に対する備えに対する実験も行われています。コロナ禍において、在宅避難が災害時の有効な手段であることが再評価されたとして、2020年3月に設備改修工事を実施。災害などによる停電・断水時においても必要最低限の機能を72時間維持できる自立システムを構築したそうです。
その実験は、2020年8月28日(金)12:00から30日(月)12:00までの48時間に行われ、入居する10世帯33人が参加。最高気温が33.4~37℃、湿度は連日70%超を示したという猛暑の期間に実施されました。
停電を想定し、棟内に備えられたエネファームの発電電力(700W)を利用して給電、避難生活を行い、その生活の充足度を検証したそうです。
そのほかにも、2007~2012年には住棟内で水素を作り、水素燃料電池で発電した場合の省エネ性と安全性の検証が行われています。
30周年を記念したイベント
NEXT21の30周年を記念して、「NEXTのNEXT」を学生から募るアイデアコンペや、一般の人が参加できるブランディング・建築・環境・照明をテーマにしたセミナー、さらにシンポジウムが開催される予定です。
「NEXT21」をオンラインで見学できる3Dウォークスルー バーチャル見学はこちらから
<参照>
大阪ガス株式会社|大阪ガス実験集合住宅NEXT21
大阪ガス実験集合住宅「NEXT21」居住実験30周年連続企画のお知らせ
大阪ガスの実験集合住宅「NEXT21」『3Dウォークスルー バーチャル見学』がグランドオープン!
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