フィットネス市場が再成長！　少額・小規模ジムが増加【TDB業界動向調査】

田中妃音

2024/03/26（最終更新日：2024/03/26）

目次: +6,500億円市場に到達する見込み; +在宅勤務の普及による健康意識の高まりが原因か; +「2024年に挑戦したいこと」第4位は「筋トレ・フィットネス」

企業を専門に信用調査を行う株式会社帝国データバンク（以下、TDB）が公表した調査結果によると、フィットネス業界がコロナ禍の打撃から立ち直りを見せているといいます。

6,500億円市場に到達する見込み

TDBによると、2023年度のフィットネス市場は、事業者売上高ベースで約6,500億円を見込んでおり、これは前年度の5,835億円から10％以上の増加を意味しています。

市場の成長に伴い、主要な大手15社の店舗数も5,900店前後に達する見込みで、これは10年前の3,000店超から2.3倍に増加したことを示しています。とくに、「chocoZAP」などの少額・小規模ジムの増加が目立つそうです。

在宅勤務の普及による健康意識の高まりが原因か

フィットネス業は、コロナ禍による営業時間短縮や休業の影響で、市場規模は一時的に減少しましたが、在宅勤務の普及による健康意識の高まりがフィットネス利用者の回復に寄与しているといえます。

月額3,000円前後の割安なフィットネス業態や、運動初心者や女性をターゲットにしたパーソナルジム業態の拡大が、業界全体の市場拡大をけん引しているようです。

損益ベースで見ると、2022年度の損益データがある約70社のうち、「増益」を達成したのは41.7％にとどまり、残りの約50％は「赤字」や「減益」を経験しています。電気代や水道代の高騰、人件費の上昇が赤字企業に影響を与えており、格安ジムの台頭による顧客獲得競争の激化も収益力の低下につながっているようです。