株式会社ベネッセコーポレーションは、日本においてリスキリングが抱える本質的な課題解決を目的とし、「リスキリングに関する生活者理解のためのインサイト調査」を実施しました。
なお、本調査における「インサイト」とは、本人も気づいていない無自覚な欲求や心の奥深くに隠された心理を指します。
「リスキリング」へのイメージとは?
調査では、まず「学び」に関するポジティブな体験価値から、相対的に見た隠れた不満や未充足を抽出する定性調査を実施。続いて、不満や未充足に対する共感度と、それらを満たすために提供するべき新しい価値提案への魅力度および現状感じている未充足度を定量調査で検証しました。
リスキリングへのイメージを定性調査で聞くと、ネガティブな意見が半数以上に。「強制」「押し付けられるもの」といったコメントに加え、これまでの人生についての不安や自信のなさ、自己否定や受け身な人生についてのコメントも半数以上集まりました。
同社は、個人が大人の学びに対して持つ課題として「自己肯定感が低く、自分の人生への主体性がないこと」「リスキリング=押し付けられるだけの終わらないタスク(と考えていること)」の2点を提起しています。
リスキリングに期待することは、男女差がある
リスキリングに期待することを質問。男女間に5ポイント以上の差があった回答には、「職場環境を変革する力」(男性54%、女性49.5%)、「人生を挽回することを優しく支援」(男性57%、女性66.8%)がありました。男性の回答者は、周囲や自分の意識転換に関心があるようです。
男性と比較して、女性が5ポイント以上多く回答したものは、「自分らしい人生」(男性62.5%、女性67.3%)、「人生をやり直す再チャレンジ」(男性58.8%、女性66.5%)などでした。女性は自分の人生そのものへの関心が強い傾向があることがわかりました。
*バリュープロポジション(VP):リスキリングに期待すること(提供価値)
未充足度:各バリューがどの程度、今の「リスキリング」や、「リスキリング」に関するサービス全般で充たされていないと感じるか
20代はリスキリングへ前向き
年代ごとの「リスキリングに期待すること」については、20~30代は40~50代と比べて平均9.3ポイント高く、リスキリングへの前向きな意識が浮かびあがりました。20~30代は自分を高めることへの関心が強い傾向があるようです。
*バリュープロポジション(VP):リスキリングに期待すること(提供価値)
未充足度:各バリューがどの程度、今の「リスキリング」や、「リスキリング」に関するサービス全般で充たされていないと感じるか
調査概要
リスキリングに関する生活者理解のためのインサイト調査
対象:18~59歳の男女400人[定性]/20~59歳の男女800人[定量]
期間:2023年9月22日(金)~28日(木)[定性]/2023年11月2日(木)~6日(月)[定量]
方法:インターネット調査[定性・定量]
調査主体:株式会社ベネッセコーポレーション
<参照>
ベネッセ、リスキリングに対するインサイト調査を実施 日本人の「低い自己肯定感」と社会からの「押し付けられ感」が浮き彫りに 性別や20~30代と40~50代に「意識の格差」の傾向
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