「マーケティング」という言葉を耳にすると、何が思い浮かぶでしょうか。大学の授業などでは“物やサービスを売るしくみ”と概念として教わり、ネット検索をすると、企業や職種によっていろいろな言葉で定義されていることが多い単語です。
正解も1つにしぼれない”マーケティング”ですが、外食産業の天敵とされるコロナの影響があった時期でも好業績をおさめた日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(以下、日本KFC)は、どう考えているのでしょうか。将来マーケター志望の学生インターンである筆者が話を聞いてきました。
現場のマーケティングに触れるイベント
自分軸やパーソナルビジョンの言語化をサポートする成長機会を若者に提供する「プロジェクト・エニー(株式会社OVER20&Company.主催・運営)」は、マーケティングに情熱を持つ学生達に向けた社会実践イベントを開催。
そのうち、3月14日(木)に開催された「マーケターのキャリアビルディング」と題するイベントでは、KFCの店長、エリアマネージャーなどの営業職を経て、商品開発・経営企画・購買・マーケティングCMO・営業戦略などを担当してきた日本KFC取締役常務執行役員開発本部長(CDO)小山典孝氏が登壇しました。
今回の記事では、その時に小山氏が語ったお話を紹介します。
KFC独自のマーケティング
小山氏は、「マーケティング」とは「理想のお客さまを増やし続けること」であると解釈しているとのこと。
理想のお客さまを増やすために自社の商品やサービスが持つ独自の強み(以下、USP)として、「品質」と「特別感」をあげました。
「品質」では、お店で新鮮なチキンを使用して、手づくり調理にこだわっていること、「特別感」では、クリスマス/グループミールに特化することなどを例として上げました。
また、現代では、商品やサービスを売るうえで利用者1人ひとりの行動を把握する必要があり、顧客アンケートやバリュープロモーションが大切だと指摘します。
外食ビジネスにおける「商い」の鉄則とは
これまでKFCで働いてきた経験を通じて、小山氏は「外食ビジネスにも鉄則がある。コンプライアンス・採用、トレーニング・売上施策・出店・オペレーション・コスト管理の6つに分けて、優先順位を間違えると効果が変わる」と話しました。
小山氏が挙げる順番としては、以下の画像の通りということです。
最初に“採用・トレーニング”を持ってきた理由は、動ける人がいないとお店が回らないため。
次に、最初にコスト削減を行う店舗が多いことから、オペレーション→売上施策→コスト管理と続くそうです。まず売上を出して、次に余分なコストをカット、店舗拡大の順番が理想といいます。
普段何気なく利用しているお店の裏側を知り、イベント帰りに食べたケンタッキーがいつもより美味しく感じました。
どんな物やサービスにもさまざまなマーケティングの工夫がされている現代、生活する中で注意深く発見していきたいですね。
<参照>
【日本ケンタッキー・フライド・チキン共催】次世代のマーケターを育む社会実践プログラムを、2日間に渡り開催します
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