小学3年生から英語の授業が行われる(2020年から)など、日本の教育課程では英語教育が重視されています。一方で、中学・高校の6年間にわたって「英語を学ぶ」機会に恵まれているにも関わらず、苦手意識を強く持っているという人も多くいるよう……。キャリアアップやリスキリングのテーマとして英語学習が人気を集めていることは、苦手意識を裏付けているのかもしれません。
英語を母語としない人びとが「英語力を身につける」ことをめぐる調査結果を、いくつかみていきましょう。
日本の英語能力、国際評価は?
グローバルに教育事業を展開するEF Education First社が113の国・地域から220万人を対象に行ったという2023年度の英語能力指数ランキングで、日本はどのように評価されているのでしょうか。
同社のEF英語標準テスト(EFSET)、英語実力テストの受験者220万人のテストデータをもとに、調査・評価が行われたという調査で、日本は87位に位置しています。また、「非常に高い英語能力」と判定されたトップ3には、オランダ、シンガポール、オーストラリアが並んでいます。
アジア23カ国中の上位国は、シンガポール、フィリピン、マレーシアと続きます。日本は15位となり、残念ながら引き続き「低い」という評価。しかし、国・地域ではなく「都市」ごとに行った評価では、東京は「標準的な英語能力」にランクインしていました(くわしいレポートはこちらから)。
英語力と年収の関係は?
大手転職サイトなどをネットワークした、集客プラットフォームを運営する株式会社キャリアインデックスが行った年収と語学力についての調査では、年収800万円以上だという回答者の約6割(61.8%)が、初級以上の英語力を有すると答えています。
この調査は、就業中の1,208人を対象として行われました。語学力テストのスコアなど、「初級」だとみとめる基準についてはこの調査で公表していないようです。
調査概要:CAREER INDEX 実態調査
調査方法:GMOリサーチ株式会社が提供する高品質リサーチPR・調査PRサービス「GMO Ask for 調査リリース」の企画によるインターネット調査
調査期間:2024年2月6日(水)~2月7日(木)
有効回答:就業中の1,208人対象
調査主体:株式会社キャリアインデックス
若い世代の学習動機は?
イギリスに本社を置く教育サービス企業、Pearson PLC社の日本法人ピアソン・ジャパン株式会社が公開する調査から、「仕事以外の理由で英語を学ぶ動機」についてみていきましょう。
複数回答ありで聞いたところ、「TVや映画、オンラインコンテンツを英語で視聴できるようになりたい(日本47%、世界平均50%)」「もっと旅行に行きたい(日本44%、世界平均55%)」「身の回りの英語が読めるようになりたい(日本40%、世界平均48%)」などが挙げられています。また、日本の回答者の23%が「友達作り」を英語学習の動機としているそうです。
さらに、世代ごとに回答を分類してみると若年層では「今後の勉強に役立てるため(42%)」と「友達を増やす(35%)」が上位となりました。また、仕事においても日本の若い人たちは、「一緒に働く人々と、より強固な関係を築くため(35%)」を英語学習の動機としてるといい、ほかの世代より高い傾向を示したといいます。
対象国・地域:日本・サウジアラビア・ブラジル・イタリア・米国(フロリダ州)
対象者:英語を母語とせず、第2言語または複数使う言語のうちのひとつで「英語を積極的に学んでいる」「仕事で定期的に英語を使用している」「英語を学ぶことに職業的な意欲がある」「英語を学ぶことで仕事がしやすくなる」「英語を学ぶことで仕事の先行きが良くなると考えている」のいずれかに該当する人
年齢:18~64歳
対象人数:5,000人
調査時期:2023年10月
調査主体:Pearson PLC社
調査委託者:PSB Insights社へ委託した独自調査
調査結果はこちらから
<参考>
イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社|第2023版世界最大の英語能力指数 ランキング
英語力と年収の関係 ~ 年収800万円以上になると約6割が英語初級以上 ~ CAREER INDEX実態調査 vol.27
ピアソン、最新調査が示す、日本における英語力の重要性:キャリアと自信構築に影響
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