自転車をそのまま車内に持ち込んで移動する人の姿を、海外などでみかけたことはありませんか?
とくにロードバイク(競技用自転車)の人気が高くサイクリストが多い欧州各国ではサイクルバスやサイクルトレインと呼ばれ、ポピュラーな存在だそうです。
日本では、観光地を擁するローカル線の利用促進などを中心に、サイクルトレイン・サイクルバスの実施事例が増えています。東京都でも移動手段の融合を図ろうと、都営バスを利用した実証運行を開始します。
サイクルバスとは?
「サイクルバス」とは、乗客の自転車を車内や車外のサイクルラックに載せ、解体せずに運ぶことができるバスのことです。同じ仕組みで、サイクルトレインと呼ばれる電車もあります。
とくにロードバイク(競技用自転車)の人気が高くサイクリストが多い欧州各国では、どちらも一般的に広まっている交通手段になっているとのこと。日本でも、観光が主要な路線やローカル線の利用促進を中心に、サイクルトレイン・サイクルバスの実施事例が増えてきました。
サイクリストや自転車旅行を楽しむ人たちが、公共交通機関を利用して移動する場合、自転車を解体して「輪行袋」と呼ばれる袋に入れ、目的地で組み直してから遠方でサイクリングを楽しむ「輪行」という方法をとることが一般的です。
都内路線バスとして初の取り組み
この「サイクルバス」について、東京都は実証運行を3月16日(土)から始めると発表しました。
JR青梅駅と御岳方面の観光スポットを結ぶ「梅01系統」で、土日祝日の運行となります。実証期間中は、バスへの乗車運賃のみで自転車を搭載できるそうです。
都内における事例としては、2022年にレインボーブリッジをサイクリングするイベントでメディア向けに貸切バスとして自転車をそのまま乗せて運行した事例がありましたが、路線バスでの運行は今回が初となります。
目的は? 都に聞いてみた!
東京都は、「環境にやさしく、健康にもよい自転車を更に身近なものとするとともに、東京の魅力を国内外に発信することを目的」として、さまざまな施策を講じています。
サイクルバスの実証運行もその一環で、東京都交通局の自動車部営業課に話を聞いたところ、「自転車と共存しながらの公共交通機関利用の促進」を1番の目的としているとのこと。
今回の運行では、観光での利用が中心になるといいます。
都心での通勤・通学用途での運行については、バスの運行間隔が短く遅延問題が発生することや走行環境、バス1台につき自転車2台の制約があることから、「基本的には難しい」とのことでした。
自転車の搭載方法は?
今回の実証運行では、乗客自身が自転車をバス前面のラックに積みこみます。道路交通法にもとづいて、バスを運行する運転手がバスから降りてラックへのロックを確認するそうです。ただ、搭載できる自転車には制限があるため、「詳細は、都営バスホームページをご覧ください」と呼び掛けています。
〈参考〉
サイクルトレイン・サイクルバス 国土交通省
【ロードバイク輪行袋の使い方】自転車を持ち運ぶ方法と電車に乗る準備を解説 じてりん
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