毎年3月8日は、女性への差別撤廃と女性の地位向上を訴える「国際女性デー」です。女性が働きやすい社会を実現するためには、月経痛や更年期症状といった女性特有の健康課題への理解も重要となります。
株式会社Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活者研究所」は、20~80代の男女728人を対象に、人生100年時代における幸福と女性特有の健康課題に関する意識調査を実施しました。
女性の3人に1人は、不調を誰にも話さない
これまでに健康課題や不調を経験したことがある女性を対象に、その際に取った行動を聞くと「パートナーや家族、恋人、友人、職場の上司や同僚など周りに話した」が40.8%と最多。
一方で、31.1%は「他人に話さず、一人で我慢した」と答えており、約3人に1人は不調を自分だけで抱え込んでいることがわかります。
また、前問の回答者に、幸福度を10点満点で質問。高得点である8点以上の割合は、「パートナーや家族、恋人、友人、職場の上司や同僚など周りに話した」人で62.4%、「医師など専門家に相談した」人で44.0%でした。
「他人に話さず、一人で我慢した」人の19.3%と比べて、高得点の割合がそれぞれ3.2倍、2.5倍高いことがわかりました。周囲に不調を共有できるかどうかは、人生の幸福度をも左右するようです。
女性特有の不調に対する認識は、男女間でギャップがある
女性特有の健康課題や不調に関して、社会や男性の理解はどの程度進んでいると思うかを男女別に尋ねると、「社会全体の理解」「職場やアルバイト先の理解」「男性の理解」の各項目において、女性よりも男性の方が「理解が進んでいる」と回答した割合が高くなりました。
健康課題や不調について、まだまだ男性は理解しきれていないと感じている女性が多いようです。
男女別に、女性特有の健康課題や不調に関する意見を聞きました。「パートナーや友人、同僚などが不調になったときに自分でできるサポートはしたいと思う」の回答は、女性90.7%、男性83.8%とそれぞれ最も多い結果に。
男性の回答が女性よりも5ポイント以上高い項目は「よかれと思ってサポートとしてやったことが、裏目にでてしまいそうで怖い」(7.9ポイント差)、「不調がある本人に話したりするのは気が引ける」(6.6ポイント差)でした。
男性は女性の不調をサポートしたいという思いを持ちつつも、「自分の行動は本当に正しい?」「自分から話題にしてもいいのか?」と不安を抱いているようです。
不調への理解促進に向けて
女性特有の健康課題や不調への理解促進に向けて、いったい何が必要なのでしょうか。
男女別で質問すると、女性は「パートナーや同僚など、周りが不調に関する理解を示したら、本人も感謝を示すこと」に「とてもそう思う」と答えた人が42.3%でした。「女性だけでなく男性、社会全体で理解を示す態度」(41.8%)、「女性の健康課題に関する正しい情報発信」(41.5%)と続きました。
一方、男性は「女性だけでなく男性、社会全体で理解を示す態度」に「とてもそう思う」と答えた人が36.5%と最も多く、次いで「気軽に相談できるかかりつけ医や専門家へのアクセス」(34.9%)、「パートナーや友人、同僚等、周りができる限りのサポートを行うこと」(34.3%)となりました。
女性の不調に関しては、男性側からも積極的に理解を示していくとともに、女性側も感謝の気持ちを示すことが必要なのかもしれません。
調査概要
100年生活者調査~女性の健康課題編~
調査目的:人生100年時代における幸福と女性の健康課題に関する意識調査
調査手法:インターネットモニター調査
調査期間:2024年1月
調査対象者:20~80代の男女728人
<参照>
国際女性デーを前に、【100年生活者調査~女性の健康課題編~】を実施 女性の3人に2人が生理痛などの健康課題を周りに共有する時代、男性の半数以上が「自分のサポートに不安を感じている」と回答
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