HOMEインタビュー 若者がFPを取得するメリット|「ほんださん / 東大式FPチャンネル」講師が伝える“人生2周目”になれる方法【前編】

若者がFPを取得するメリット|「ほんださん / 東大式FPチャンネル」講師が伝える“人生2周目”になれる方法【前編】

川上良樹

2024/02/26(最終更新日:2024/02/26)


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お金に関わる体系的な知識を学べるFP(ファイナンシャル・プランナー)は、近年人気が高まっている国家資格です。

学生や社会人になったばかりの人であれば、FP資格の取得が人生にどの程度プラスになるのかわからず、一歩を踏み出せないという人も多いのではないでしょうか。

「お金の不安なく充実した人生を送るためには、FPの本質を理解した勉強をいち早くおこなうことが大切です」

そう語るのは、チャンネル登録者数が17万人を超え、FP業界トップを誇る「ほんださん / 東大式FPチャンネル 」創設者の本多遼太朗さんです。

東京大学卒業後に独学でFP1級の合格をした経歴をもつほんださんに、若者がFPを取得するメリットや意義、試験を突破するための勉強方法をお聞きしました。

FP取得へ向けた「学習」が人生2周目を手に入れるカギ

―――はじめに、FPとはどのような資格なのかを教えてください

FPとは、税金や不動産をはじめとして、人生に大切なお金の知識を得られる国家資格です。どのような人生の選択をしても、お金との関わりだけは避けられない世の中で、誰もが役立てられる資格といえますね。

FPは、難易度ごとに1~3級で構成されています。はじめに受ける3級の合格率は例年80%程度であり、お金の知識を学ぶ第一歩を踏み出しやすいのが特徴です。

実際に私も大学生のころに、「お金に困らない人生を送るには、働いて稼ぐ以外に、必要な知識もあるのではないか?」という疑問を抱き、金融リテラシーを学ぶ手段としてFP取得へ向けた勉強を開始しました。

―――いまの大学生や社会人経験の浅い人たちにとって、FPを受けるメリットはあるのでしょうか?

大学生や社会人経験の浅い人にも、FPの知識を学ぶメリットは数多くあります。その一つが今後、お金にまつわるさまざまな場面に出くわした際に不利益を被る可能性を減らせることです。ここで強調したいのは、資格そのものよりもFP取得へ向けた「学習」に意義があることです。

たとえば、将来マイホームを購入するときに、FPで学んだ知識があれば、自分なりの判断軸で適切な契約ができるかもしれません。一方で、マイホームに関連した金融の知識がないと、本来だと必要のない契約をしてしまい、損をする可能性だってあるんです。

つまり、若いうちからFPを取得しておけば、勉強の過程で「お金に関連した決断をするときの予習」ができるようになります。

ほかにも、NISAや保険など、いますぐ役立つ金融関連の知識も学べるのがFPの魅力のひとつです。

勉強を早めにスタートすれば、まるで人生2周目のような行動に出られるのが、若者ならではのFPを取得するメリットといえますね。

FPで得た学びは就活や仕事に「付加価値」を付けられる

―――FPの資格をもっていれば、仕事で昇進や昇給をするときに有利でしょうか?

FPの資格を取得しただけでは、昇進や昇給に有利になるとは限りません。前提として、資格はあくまで知識を得るための「ツール」であると理解しておく必要があります。

私は、大学卒業後に例年10%程度の合格率だとされるFP1級を取得しました。とはいえ、専門的な知識のある証明をもったとしても、お金の相談の依頼がすぐに舞い込んでくるわけではなかったんですよね。

もちろん、金融機関のようなお金と密接に関わる企業に勤めていれば、FPの資格を活かしてステップアップしやすいと思います。

それでは「金融関連ではない企業に勤めている人がFPを取得するメリットはあるのか?」という質問については、大きく分けて2つ考えられます。

1つ目は、先ほど申し上げたように、お金に関わる適切な決断ができるようになることですね。プライベートが充実して、仕事にも余裕が生まれることが予想できます。

2つ目は、仕事をしていくなかで「お金を支払う」というプロセスに対しての知識を取得できることです。

たとえば、不動産の知識だけがある営業員より、住宅ローンの毎月の支払い額やライフスタイルの変化を含めた提案ができる人の方が、契約率が上がるのではないかと思います。

FPの勉強で得た知識で仕事に「付加価値」を付けられることが、資格そのものよりも重要だといえますね。

―――FPの取得は、就活でも有利になるのでしょうか?

FPは有名な国家資格なので、取得実績をアピールできるケースはあります。ただ私からは、FP取得によって「社会へ飛び込む自信がもてる」との観点で、就活に役立つことを伝えたいです。

たとえば、FP2級の勉強をしているだけで、おのずと法人関係のお金の知識を得られます。企業が利益をあげる仕組みや税金の納め方への理解が深まるため、ほかの就活生より1歩進んだ視点でビジネスを考えられるようになるんです。

つまり、FPの知識を活用すると、これから飛び込んでいく社会が未知なものではなくなり、自信をもって就活へ臨めるようになるんですよね。

さらに、国家資格に合格したという成功体験が加わり、前向きな気持ちで社会人に向けた行動をできるようになりますよ。

後編では、FP1級合格者が続出しているという「FPキャンプ」の運営もおこなっているほんださんに、FPの資格取得に向けた勉強のコツを教えてもらいました。

インタビュイープロフィール

本多遼太朗(ほんださん)

東京大学工学部都市工学科卒業(都市計画専攻)
1994年生まれ。埼玉県出身

大学在学中からWeb開発やメディア運営とさまざまな実務経験を積むなかで、日本における金融リテラシーに課題を感じ、金融教育のコンテンツ制作やセミナー運営をおこなう。自身も24歳で1級ファイナンシャル・プランニング技能士を独学で取得。

学習時の独学経験を生かし、2021年4月に、FP資格試験向けの解説を手がける動画チャンネル「ほんださん / 東大式FPチャンネル」 を開設。本質を理解する学びの楽しさを伝える講義が高い評価を集め、現在の登録者数は17万人超とFP業界でトップを誇るという。

2023年4月に株式会社スクエアワークスを設立以来、同社の代表取締役として事業を統括。同年7月にサブスク型オンラインFP資格講座「FPキャンプ」を開講。2023年9月のFP1級学科試験では、全受検生の約15%がFPキャンプを受講しているという。

FP技能士以外にも、社会保険労務士や宅地建物取引士、DCプランナー1級など、難関資格を多数合格・保有する。

ほんださん / 東大式FPチャンネル 

FPキャンプ
 

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