みなさんは「VTuber」を1回は見たことがあるのではないでしょうか。実は「VTuber」が日本発祥ということをご存じですか? 今回は、現在盛り上がっている「VTuber」市場について紹介したいと思います。
VTuberについて
まず、VTuberとは何かを簡単に説明します。VTuberとは、2Dや3Dのアバターなどを使い、動画配信などを行う人のこと。そのアバターはアニメのキャラクターのような容姿をしていることが多いです。
VTuberの歴史と日本での盛り上がり
2016年に「キズナアイ」が初めてVTuberという言葉を使い、その後さまざまな配信者がVTuber市場に参入してきました。
現在では、国内で約800億円の売り上げ見込みがあるほどの市場規模に拡大。これは4年で約5倍の数字となっていることで、VTuber市場の勢いを表す1つの数字になるでしょう。
そのなかでも、現在のVTuberのターゲット層は10~30代の男性・10~20代の女性と、若者に人気です。
なぜVTuberは日本発?
ではなぜ、日本でVTuber市場が盛り上がっているのでしょうか。挙げられる理由の1つとして、日本におけるコンテンツビジネス(IPビジネス(※))の強さがあると考えられます。
この表は日本における映画の歴代興行収入ランキングです。TOP10のなかに日本のアニメ作品が6つランクインしています。これは、アニメコンテンツが浸透しているデータの1つとなるでしょう。
※IPとは、「Intellectual Property」の略称で、知的財産のこと
また、アメリカの金融会社「TITLEMAX」が行った調査によると、2019年までのコンテンツIPの累積収入ランキングで、TOP10の半分にあたる5つが日本から生み出されたコンテンツです。
1位のポケモンが生み出した収益は921億ドル、これは円に換算すると約14兆円(2024年2月21日(火)現在)です。世界でも、日本のコンテンツ産業が人気であることが分かるデータになっています。
実際、VTuberの世界ランキングを参考にしてみると、1位から10位まで、ほぼすべて日本のVTuber事務所に所属しているキャラクターになっています。ポケモンなど、日本が生み出したキャラクターが人気だからこそ、そのキャラクターづくりのノウハウが生かされ、VTuberの海外での人気につながっていると考えています。
今後のVTuberはどうなる?
ここまでVTuberの現状を振りかえってきました。さて、今後のVTuber市場は、どのようになっていくのでしょうか。
PwCコンサルティング合同会社が発表した調査によると、世界のデジタルコンテンツの市場は年々拡大傾向にあります。日本のコンテンツビジネスの強さを生かし、VTuberは世界で盛り上がるコンテンツの1つになるかもしれません。
また、日本国内の市場で考えてみても、年齢層が高い人へのアプローチで、より盛り上がる可能性を秘めているでしょう。
私は、VTuber市場が日本を代表する新たな事業となる可能性があるのではないかと考えています。今後もVTuber市場に注目です。
<参照>
グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2023-2027
VTuberに関する消費者アンケート調査を実施(2023年)
TITLEMAX “The 25 Highest-Grossing Media Franchises of All Time”
CINEMAランキング通信 興行通信社 歴代興収ベスト100
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