HOMECareer Runners 【26年卒向け】インターンルールは具体的にどう変わった? 企業・学生側の動きに変化は? マイナビ研究員に聞いた【インタビュー前編】

【26年卒向け】インターンルールは具体的にどう変わった? 企業・学生側の動きに変化は? マイナビ研究員に聞いた【インタビュー前編】

川上良樹

2024/02/05(最終更新日:2024/02/26)


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25年卒以降、インターンシップのルールが変更になりました。

26年卒のなかには、ルール変更により就活がどのように変化するのかわからず、悩む人が多いのではないでしょうか。

「インターンの重要性が高まっているいまこそ、キャリア形成(※)を大切にしてほしい」

そう語るのは、株式会社マイナビの研究員である東郷こずえさんと、沖本麻佑さん。

※就活生における「キャリア形成」とは、やりたい仕事を見つけ、必要なスキルを身につけること。

今回は、マイナビキャリアリサーチLabにて、就活生の最新動向を分析し続けている2人に、インターンルール変更にともなって26年卒がやるべきことを聞きました。

26年卒に関係のある「インターンシップルール変更」

―――まずは、インターンルール変更のなかで、26年卒に関係する内容を教えてください。

東郷さん:26年卒に関係する内容は、大きく分けて2つです。

1つ目は、前年、インターンを始めとしたキャリア形成への取り組み方が、4つのタイプに分類されたことですね。

タイプ1:オープン・カンパニー(企業や大学主催の説明会やイベント)

タイプ2:キャリア教育(企業による教育プログラム・大学主催の講義)

タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ(職場での実務体験)

タイプ4:高度専門型インターンシップ(専門性のある実務体験、大学院生のみが該当)

沖本さん:キャリア形成プログラムのうち、学部生であれば、26年卒が主に参加するインターンに該当するのは「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」のみです。

また、具体的なインターンの定義として「5日以上のプログラム期間のうち、半分の日程で職場における就業体験を実施」する必要があるとされています。

なお、業界や企業の理解が目的の「タイプ1:オープン・カンパニー」「タイプ2:キャリア教育」は、就業体験が実施されないため、インターンには含まれません。

東郷さん:2つ目は、企業がインターンで取得した学生の情報を、採用選考に使っても良いと明記されたことです。学生の情報には、プロフィールやインターンでの成績などが挙げられます。

ルール変更前は、インターンについて、しっかりとした定義がありませんでした。今後は、企業が明確な基準をもとにインターンを開催できるようになったといえますね。

実際に、インターンを実施する企業の約9割が、学生の情報を採用活動に利用予定であるというデータが出ています。

ルール変更で高まるインターンの重要性

―――インターンルールが変更された25年卒は、インターンへの取り組み方に変化があったのでしょうか?

沖本さん:インターンシップへの注目度は年々高まってきていましたが、ルール変更となった25年卒も、さらに関心が高まっていることがわかっています。

2023年12月に発表した「インターンシップ参加率」の統計をみると、24年卒とくらべて、参加率が上昇しているんですよね。約9割の学生がインターン・仕事体験に参加しています(24年卒より3.3%増)。

―――インターンルール変更をふまえて、企業にはどのような動きがあったのでしょうか?

沖本さん:学生だけではなく、企業もインターンへ力を入れています。実際に、25年卒への企業のインターン実施状況は、過去最高の数値を出しています。

東郷さん:実施率が上昇したのは、新型コロナウイルスによる行動制限がなくなり、インターンを再開した企業が増えたことも要因の1つだと予測できます。とはいえ、多くの企業が採用にポジティブな姿勢を見せ、インターンルール変更に対応した部分も大きいと考えられます。

―――学生だけではなく、採用側の企業もインターンを重要視しているのですね。

沖本さん:そのとおりです。ルール変更前の統計だけみても、インターンを実施した企業のほうが、採用充足率が高い、つまり採用に成功しているという結果がでています。


引用:マイナビキャリアリサーチLab マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査

学生としても、インターンで実際の職場の雰囲気を感じ取れていた方が、安心して入社ができますよね。

―――インターンルール変更後、サマーインターンとウインターインターンのあり方に変化が出る可能性はありますか?

東郷さん:サマーインターンの時期に、インターンが活発に開催される可能性があります。

ルール変更後、インターンの実施には5日以上のプログラムが必要になりました。サマーインターンであれば、学生・企業ともに長期の計画を立てやすく、インターン開催に適していると考えられます。

一方で、休み期間の短いウインターインターンは、インターンルール変更にのっとった長期プログラムを打ち出しにくいかもしれません。

 

後編では、インターンルール変更をうけて、26年卒が取るべき行動や注意点について深掘りしていきます。

インタビュイープロフィール

東郷 こずえ
株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ 主任研究員。
国家資格キャリアコンサルタント。
2007年、毎日コミュニケーションズ(現:マイナビ)へ中途で入社。企業の新卒採用を支援する就職情報事業本部において、営業推進、サイトデータ分析部門などを経て、現職。雇用や労働に関連する様々な調査やレポーティングを行う「マイナビキャリアリサーチラボ」の主任研究員として、年間約40件の学生および企業向け調査の立案・運用・分析を手掛けている。
 

沖本 麻佑
株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ 研究員。
新卒採用領域を担当。2016年入社。「マイナビバイト」の原稿制作担当としてアルバイト採用に携わった後、現在は新卒採用を行う採用担当者への調査やUターン就職、低学年のキャリア意識に関する調査などを主に担当。就活生と採用担当者との意識の違いなどに関心が高い。

マイナビキャリアリサーチLab 雇用や労働に関連する様々な調査データやレポートを通じて、雇用の在り方や個人のキャリアを考える上で役立つ情報を提供するサイト

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