水が高い所から低い所に落ちる時の高速・高圧の水流を利用して、水車を回して発電する「水力発電」。
たくさんの水を必要とする水力発電所は、山間部にダムを建設したり、大きな川の近くに作られたりしますが、東京都にも水力発電所があることをご存じでしょうか。
資源エネルギー庁|水力発電について
水力発電とは?
発電時にCO2を排出しない、クリーンエネルギーで、渇水のリスク以外の気象・自然条件に左右されず、安定して電力を供給できます。
日本国内では、「奥只見発電所(福島県桧枝岐村、新潟県魚沼市)」や、「神流川発電所(群馬県上野村)」「黒部川第四発電所(富山県黒部市)」などの水力発電所が稼働しています。
なかでも「くろよん」と呼ばれる黒部川第四発電所を含む、黒部川電源開発事業は、小説『高熱隧道』(吉村昭著・新潮社刊)や、映画やテレビドラマ化もされた『黒部の太陽』(木本正次著・講談社刊)などの題材にもなり、高度経済成長期の電力不足を補う、日本の戦後復興の象徴としても知られています。
多摩川の流水を利用
東京都交通局は、多摩川第一発電所、白丸発電所(ともに東京都西多摩郡奥多摩町)、多摩川第三発電所(東京都青梅市)という、多摩川の上流にある3つの水力発電所で発電事業を行っています。
年間におよそ3万5,000世帯分の使用量に相当する電力を東京都内に供給しているといい、2021年度からは電気事業者への供給、都営バス営業所での電力利用を進めていたそうです。
2024年4月からは、東京ガス株式会社へ電力を売却することが決定。さらに都営バス営業所に加えて、東京さくらトラム(都電荒川線)の運行を、100%東京都での水力発電で生み出された電力で行うことが発表されました。
自治体・官公庁のサイトで入札情報を公表して、広く参加者を募る「公募型プロポ―ザル」を実施し、売却先が選定されました。東京ガスへ東京交通局が売電する期間は2026年3月末日までです。
<参考>
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