厚生労働省が1月26日(金)に発表した資料によると、2023年10月末時点での外国人労働者の数が204万8,675人に達したことが分かりました。同省によると、すべての事業主に対して雇用する外国人の届け出を義務付けた2007年以降、200万人を超えたのは初めてになります。
200万人超となった背景は?
この数字に達した理由について、厚労省は特定技能や技能実習生(※)の受け入れ拡大や日本における人手不足や人口減少が背景にあると分析しています。
また、コロナによる外国人の受け入れについての規制が緩和されたことも要因の1つではないかとコメントしていました。
(※)特定技能とは、日本国内での人手不足を補うために、一定の専門性やスキルを持つ外国人を受け入れる制度。技能実習とは、主に開発途上国などの外国人を日本で一定期間受け入れ、現場で指導しながら人材育成をサポートする制度です。
産業・地域・国籍別にみると……?
外国人労働者数は、「製造業」が最も多く、全体の27.0%となっています。次いで、サービス業が15.7%、卸売・小売業が12.9%となりました。
外国人労働者数・外国人労働者を受け入れている事業所数ともに、上位3都府県は東京都・大阪府・愛知県でした。
国籍別でみると、ベトナムが最も多く51万8,364人に。外国人労働者数全体の25.3%で、4人に1人がベトナム人となります。中国が39万7,918 人(19.4%)、フィリピンが22万6,846人(11.1%)と続きました。
「外国人労働者の就労環境整備に取り組む」
厚労省の武見敬三大臣は1月26日の定例記者会見で、日本で生産年齢人口が減少するなか、外国人労働者を含めた労働力の確保は重要な課題と指摘。
「今後も外国人労働者の増加が見込まれるなか、外国人労働者が能力を最大限発揮し、我が国の社会で活躍できるよう、実態を適切に把握しつつ就労環境の整備にしっかりと取り組んでいきたいと考えます」とコメントしています。
<参照>
【関連記事】
人手不足の倒産、前年度より1.8倍 2024年問題で建設業と物流業界はさらに深刻化か
帝国データバンクでは、人手不足による倒産の動向を分析。その結果、2023年の人手不足による倒産は累計で260件となり、年間ベースで過去最多を更新したことを発表しました。2022年の140件から1...
物流の2024年問題、現場の状況と対策は? 物流業界で働く404人に聞いた【実態調査】
BtoBプラットフォームの運営を行う株式会社インフォマートは、2024年4月に適用される「時間外労働の上限規制」を受けて、「物流の2024年問題」に関する実態調査を、物流業界で働く404人を対象...
人材派遣業の倒産数が2015年来で最多に 人手不足に伴う人件費高騰が要因
株式会社帝国データバンクは、「人材派遣業界」の倒産発生状況について調査・分析結果を公表しました。 人員が不足している企業に対してスタッフを派遣する人材派遣業は、スタッフの増減が流動的だった...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう