進学に際して、経済的な不安がある場合に活用される「奨学金制度」。カネとホンネ調査研究所が、東京・愛知・大阪・福岡に住む20~39歳で会社員の男女912人に奨学金をめぐるアンケート調査を実施しました。
この調査によると、23.1%の回答者が奨学金を利用して進学したといいます。
奨学金制度、利用した?
この調査によると、奨学金制度を利用せずに進学したという回答者は全体の46.9%を示し、制度利用に関わらず進学していないと答えた人は30.0%(単一回答式での設問)。
進学した7割の回答者のうち奨学金を利用したという人は33%にあたるといいます。
借入額と返済期間は?
借入した奨学金の額面と返済期間をたずねたところ、回答の平均値は282万円、13.5年となったそうです。
金額については、200万円台が32.1%と最多の回答となりましたが、400万円以上の借入をしたという回答者が23.2%を占めています。高校や大学院への進学にも奨学金を活用すると、当然その分金額は増えます。
コスト対効果にジェンダーギャップ
借入した奨学金をめぐる回答を性別で仕分けると、男性が279万円、女性が284万円となり、大きな違いはなく、教育にかかるコストに性差は生じていません。
教育コストと効果という点では、実際に社会に出てからの年収を聞き取りして、男性の平均年収478万円に対し、女性は385万円とギャップがうまれています。調査元の試算では、男性の年収は女性と比較して24%多くなるということです。
調査元はこの結果にを受けて、少子化が進む日本において、こういった「労働慣行」をあらためる必要がある、と問題を伝えています。
「勉強する機会が得られて良かった」という声が多数
複数回答式で、奨学金制度についての意見を求めた設問では、「勉強する機会が得られて良かった」「親に負担をかけずに済んでよかった」「返済は思ったほどつらくなかった」というポジティブな言葉が上位に並びます。
一方で、「返済のため、生活が厳しい」「これから先の返済が不安」という声も寄せられています。
調査概要
調査名称:奨学金についてのアンケート
調査期間:2023年12月11日(月)
調査対象:都市部(東京・愛知・大阪・福岡)に居住する、20~39歳で会社員の男女
調査数 :912人(うち奨学金利用者は249人)
調査方法:Webアンケート
調査主体:カネとホンネ調査研究所(Kane-Honne Research Institute)
<参照>
【調査レポート】奨学金は平均282万円。500万円以上のケースも!
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