HOMEライフスタイル LIFULL、被災地に最短1時間で設置できるシェルター「インスタントハウス」を提供 令和6年能登半島地震の2次避難はいまだ7%

LIFULL、被災地に最短1時間で設置できるシェルター「インスタントハウス」を提供 令和6年能登半島地震の2次避難はいまだ7%

ひのあかり

2024/01/17(最終更新日:2024/01/17)


このエントリーをはてなブックマークに追加

石川県は1月16日(火)、令和6年能登半島地震で、ホテルや旅館などの2次避難所に移った人が1,278人になったと発表しました。この数は避難者全体のうち7%にとどまり、多くの被災者は今も避難所での厳しい生活を強いられています。

株式会社LIFULL(以下、LIFULL)とグループ会社の株式会社LIFULL ArchiTechは、被災地の能登町立鵜川小学校へ、「インスタントハウス」2棟をシェルターとして提供しました。

災害対策本部員会議|石川県
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/0116kaigisiryou.pdf

避難所での集団生活が困難な人々や疫病予防に

インスタントハウスは、東日本大震災での被災地支援をきっかけに、LIFULLと名古屋工業大学大学院が、産学連携協定(※1)にて開発した新しい構築物。災害時にも簡単に組み立てられるシェルターとして開発したそうです。

1棟あたり最短1時間で設置できることに加え、断熱性や耐久性、耐震性(※2)、耐風性(※3)に優れていることが特徴です。さらに、シーンや用途にあわせて移動もできます。

被災地の人々が体育館や簡易なテントでの厳しい避難生活を送るなか、少しでも安心できる空間を提供したいという思いがあるそうです。

設置場所は避難所の校庭、キャンプ場、駐車場などの空き地を想定しており、避難所の拡張機能として利用が可能。

体育館などでの集団生活が困難な障がい者、乳児、要介護者、ペットなどのケアに使えるほか、医療救護室としての活用で疾病予防にも役立ちます。また、避難所での利用が終わった後も、将来への備えとして再利用も可能です。

インスタントハウスは、国内グランピング領域において100棟以上の実績があるそうです。どんな自然環境のなかでも「夏は涼しく、冬は暖かく、静かに眠れる」という特徴があるとのこと。

平常時は能登の自然を感じられる宿泊用として、地震や風水害の時は避難用として役立てられる、備えない防災「フェーズフリー」としても、LIFULL ArchiTechは展開していきたいそうです。

※1:産学連携とは、新技術の研究開発や、新事業の創出を図ることを目的として、主に大学などの教育・研究機関と企業が連携する取り組みのこと。
※2:震度6強の地震に対して、崩壊しない。重要度係数1.0程度(建築に置き換えた場合)。
※3:粗度区分Ⅱ程度。耐風速・風速80m/s程度。インスタントハウス周囲全てのハトメを1か所あたりの引抜体力20kgf以上のビス、ペグ、スクリューボルトにて地面やデッキに固定すること。

インスタントハウスの種類

今回LIFULLでは、インスタントハウス2棟(パージ型1棟、バレル型1棟)を能登町内の避難所に設置しました。今後も各企業と連携し、バレル型12棟を順時提供予定といいます。

パージ型


ドーム型の生地を膨らませ、内側に断熱性のあるウレタン材を吹き付けたハウスを一度分割し、施工場所へ移送する「組み立て方式」を採用。

狭いスペースでも柔軟な設置や移動が可能で、施工場所での作業時間は1〜2時間で完了します。

今回、パージ型は小学校の駐車場スペースに設置し、避難所の共有スペースとして子どもたちの憩いの場となったそうです。

15㎡の広さと4mの天井高の特徴から、5~10人が談話したりカーペットを敷いて寝転がって遊んだり、ゆっくり寛げる空間になるといいます。

バレル型

テントと成型断熱材が一体になったパーツを組み立てて成型します。

バレル型はコンパクトで軽量。輸送、組み立てが簡単であるため避難所のスキマのスペースに約1時間で設置することが可能とのこと。

断熱材の壁に囲まれた内部では1~2人が横になれるため、看病が必要な人をケアするシェルターになると共に、感染症の蔓延予防の役割などを担うことができるそうです。

<参照>
【令和6年能登半島地震】LIFULL、最短1時間で組み立てられる「インスタントハウス」をシェルターとして能登町に提供

【関連記事】


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード