1月1日(月)に発生した石川県能登半島を震源とする令和6年能登半島地震。最大震度7を観測した地震からおよそ2週間が経過しましたが、被災地では道路や水道に大きな被害が生じ、完全復旧のめどは立っておらず断水や停電などライフラインへの影響が続いています。
まずは命や暮らしをめぐる復旧・復興にむけた支援が必要な状況ですが、1月4日(木)に行われた齋藤健経済産業大臣の記者会見でも指摘されたように、北陸地方は半導体・エレクトロニクス・自動車部品の重要な生産基盤エリアのひとつです。
今後、この震災はビジネスにどのような影響を及ぼすでしょうか。
国内有数の信用調査会社である株式会社帝国データバンク(以下、TDB)ならびに株式会社東京商工リサーチ(以下、TSR)が公開したデータをみていきましょう。
経済産業省|齋藤経済産業大臣の記者会見の概要
被災地域に本社を置く企業は合計9万6,158社
TSR社は、被災地とされる石川県・新潟県・富山県・福井県の各地域(後述)に本社を置く企業を、自社データベースから算出しました。
企業数は合計9万6,158社、従業員数は計100万1,732人、売上高合計は、29兆6,525億円にのぼったといいます。
9万6,158社の企業のうち、石川県金沢市の1万7,472社と地域別で最多となり、従業員数は、新潟県が48万892人、富山県が25万8,099人、石川県が25万5,775人、福井県が6,966人と続きます。
TSR社が行った調査は、石川県の14市町(金沢市、七尾市、小松市、輪島市、珠洲市、加賀市、羽咋市、かほく市、能美市、志賀町、宝達志水町、中能登町、穴水町、能登町)、新潟県13市町村(新潟市、長岡市、三条市、柏崎市、燕市、見附市、糸魚川市、妙高市、上越市、佐渡市、南魚沼市、阿賀町、刈羽村)、富山県の6市(富山市、高岡市、氷見市、小矢部市、南砺市、射水市)、福井県・あわら市を対象に実施しました。
能登半島へ工場進出する企業は890社・1,300拠点
TDB社によると、とくに被害が大きかった能登半島エリアに工場を有する企業は2023年11月時点で890社・1,300拠点に及びます。
さらに同社は、国内証券取引所に上場している、または年間売上高が100億円以上の能登半島外に本社を置く会社を主要企業として位置付けし、該当企業へ調査を実施。
工場の被害状況などについて1月15日(月)時点の開示書類を集計した結果、主要企業のおよそ4割にあたる10社で生産を停止していること、再開時期を「未定」としていることがわかりました。
再開未定となった主な理由は「工場施設などに損壊を受けた、または従業員らが被災したなどで設備などの点検や安全確認が必要」「周辺道路や電気などインフラの復旧が不透明」という点が挙げられているそうです。
<参照>
被災地域の企業数は9万6,158社 売上合計29兆6,525億円、従業員数100万人
能登半島に工場、全国から136社が進出 主要企業の4割 能登での生産「再開未定」
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