帝国データバンクでは、人手不足による倒産の動向を分析。その結果、2023年の人手不足による倒産は累計で260件となり、年間ベースで過去最多を更新したことを発表しました。2022年の140件から1.8倍増加しています。
ここ10年で最多となった「人手不足倒産」
また、ここ10年の人手不足による倒産件数では最多となっており、4月は30件、8月以降は5カ月連続で20件以上を記録したそうです。
同社は、人手不足の原因について新型コロナウイルスの分類が5類に移行されたことによる経済活動の再開であると分析しています。
さらに、正社員の人手不足を感じている企業は2023年12月時点で53.1%を記録し、2020年4月からのコロナ禍以降で最も高い結果となりました。同社はこうした背景を踏まえ、今後も人手不足が原因となり、事業を辞めるケースが発生すると予想しています。
“2024年問題”が影響か
ここで建設業と物流業界の人手不足に注目してみましょう。この2つの業界は、4月から時間外労働の上限規制が適用されることによる「2024年問題」が懸念される業種です。
2023年は、建設業と物流業の人手不足による倒産数が130件でした。人手不足で倒産した2社に1社が、建設業か物流業ということになります。
同社は引き続き、同業界の人手不足による企業の倒産数が、2024年問題を機縁に深刻化を予想。2つの業界だけではなく、労働力人口の高齢化も進むなか、企業は人材の確保が事業を継続する大きな要素になりそうです。
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