脱炭素社会に向けて、使用時にCO2を発生する石油などの化石燃料への依存を脱して、再生可能エネルギーに切り替えるなど、温室効果ガスの排出をゼロに近づけるための取り組みがひろく行われています。
食品メーカー大手のキユーピー株式会社が「心を込めて製造したマヨネーズの全てを価値あるものにしたい」と取り組んだという「マヨネーズ発電(バイオマス発電)」についてご存じでしょうか。
農林水産省大臣官房長賞を受賞
キユーピー株式会社は、1919年に食品工業株式会社として創業した日本の食品メーカー。その主力製品のひとつ「キユーピー マヨネーズ」は1925年に日本で初めて製造・販売されたマヨネーズだといいます。
地球温暖化・省エネルギー対策ならびに食品ロス削減する施策であると認められ、2023年12月に行われた第11回「食品産業もったいない大賞」において農林水産省大臣官房長賞を受賞。
製造の過程で発生する食品残さ、廃棄マヨネーズを活用して、クリーンエネルギーを生みだそうという取組みです。この施策により2022年度には年間およそ980トンのCO2削減(2015年度比)を実現したそうです。
農林水産省|「食品産業もったいない大賞」について
食品残さをバイオガス発電に活用
同社の工場では、製造商品を切り替えるときに必ず配管洗浄を行うため、配管部からマヨネーズなどの食品残さが排出されます。そういった残さをたい肥にしたり、焼却したりして処分するなかで、環境への負荷を下げられる方法を模索したといいます。
「養豚農家の廃棄物とマヨネーズを組み合わせることで、発酵の効率を高められるのではないか」というアイデアから、再生可能エネルギー発電のひとつ「バイオガス発電」に着目。食品残さを活用したクリーンエネルギー発電施策が生まれました。
着想から約5年をかけて、現在ではマヨネーズ類以外の調味料製品の残さにも展開し、同社の工場4拠点と、グループ工場が参画しているそうです。
<参考>
キユーピー株式会社|マヨネーズで発電?「もったいない」を価値あるものへ
資源の有効活用、もったいないを価値あるものへ 第11回「食品産業もったいない大賞」マヨネーズ残さをバイオガス発電に活用する取り組みが農林水産省大臣官房長賞を受賞
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