2030年の導入を目標とする第6世代移動通信システム(6G)。5Gからさらに進化した6Gが身近なものになると、通信エリアや通信速度を意識することなく、多くの人が同時に接続し、情報を共有することができるそうです。
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、明治大学総合数理学部 宮下芳明研究室(以下、宮下芳明研究室)、H2L株式会社(以下、H2L)は、「相手の感じ方に合わせた味覚を共有する技術」を開発しました。
ドコモによると、同技術の開発は世界初とのことですが、まるでSF作品のような世界の第一歩となるのでしょうか。
味覚共有技術とは
開発された「相手の感じ方に合わせた味覚を共有する技術」は、センシングデバイス(味覚に関するデータを把握する機器)、味覚の感度に対する個人差を推定し共有する「人間拡張基盤」と、アクチュエーションデバイス(味覚を再現する駆動機器)で構成されています。
ドコモが開発した「人間拡張基盤」は、ドコモの技術「FEEL TECH」を用いて人の感じ方のデータを蓄積し、触覚・味覚などの五感の情報と連携できるプラットフォームです。
アクチュエーションデバイスとは、味覚を再現する駆動機器で、宮下芳明研究室とH2Lが研究開発した味覚を再現する「TTTV3」だそうです。食べ物の品種の違いまで再現する「調味家電」とのこと。
何を実現する……?
味覚共有技術を用いることで、味をセンシングデバイスで分析した数値と、共有する相手の味覚の感じ方を、約25項目のデータをもとに人間拡張基盤上で独自アルゴリズムを用いて推定。アクチュエーションデバイスを通じて、味を再現します。
アクチュエーションデバイスは、味の基本となる五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)を味覚の標準液(味の感じ方や強さを標準化するための液体)を利用して味を再現します。言葉ではうまく伝えられない味が、人間拡張基盤を通して共有できます。
メタバースや、映画・アニメで今後活躍……?
映画やアニメで、その世界観をより伝えるような未来や古代の食事をコンテンツとして楽しんだり、バーチャルカフェで友だちと集まってケーキをシェアしたりといった、これまでにない、臨場感にあふれた体験ができそうです。
<参照>
世界初!6G時代の新しい価値を提供する「人間拡張基盤」に味覚を共有する技術を開発~ことばでは伝えられない味を人間拡張基盤で共有可能に~
世界初!6G時代の新しい価値を提供する「人間拡張基盤」に味覚を共有する技術を開発
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