コメ作りに最適な土地を宇宙から探して栽培したという「宇宙ビッグデータ米 宇宙と美水」の‟新米”が、12月からコメ卸大手の株式会社神明の直営店舗「米処四代目益屋」(阪急うめだ本店ほか)、宇宙食や宇宙グッズの専門店「宇宙の店」(東京・浜松町)で発売されています。
宇宙ビッグデータ米とは?
このコメは、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)発のスタートアップ企業である株式会社天地人、神明社、株式会社笑農和(農業ITベンチャー企業)の3社協業で生産され、2023年度は3回目の収穫だといいます。
地球温暖化による「高温障害」の増加にともない、コメの外観品質の劣化や食味の低下が問題となっていることを踏まえて、適切な圃場(ほじょう・農産物を育てる場所)選定や水の管理を行うことで課題を解決し、深刻化する気候変動に対応した「ブランド米」をつくることを、目標のひとつに掲げるプロジェクトです。
天地人社の土地評価エンジン「天地人コンパス(※)」を活用して日本全国を調査し、神明社の独自品種「ふじゆたか」の栽培適地を2022年度に選定。
栽培期間には、人工衛星からの客観的なデータを用いて栽培環境をモニタリングして、タイムリーな水管理を行います。その際、笑農和社が提供するスマートフォンで水管理を自動化するという「paditch(パディッチ)」を活用して、夜間の冷たい水を取り入れ、水温を低温に保ったといいます。
※天地人コンパスは、地球観測衛星のビッグデータをはじめとするさまざまなデータをもとに、解析・可視化・データ提供を総合的に行う土地評価サービス。
JAXA新規事業促進部|宇宙ビッグデータコメ事業
異常気象を生き抜き、1等米に
月平均気温が3カ月連続で過去最高を更新した‟災害級の暑さ”に見舞われた2023年の夏を乗り越え、新米を収穫。農産物検査法に基づいて、全国で統一された玄米の検査規格のうち最も品質が高い分類と評価される「1等米」に認められました。
農林水産省によると、2023年産米の1等米比率の全国平均は、10月31日時点で61.3%でした。2022年度は79.4%、2021年度は83.6%となっており、同時期と比較して減少を示しています。
農林水産省|令和5年産米の農産物検査結果(速報値)(令和5年10月31日現在)
<参照>
JAXAベンチャー 天地人、宇宙から米作りに最適な土地を探し栽培した米「宇宙ビッグデータ米」の栽培と収穫が完了。異常気象でも、1等米として高品質を維持。12月より販売開始。
【関連記事】
AIで農業の課題を全て解決!? 開発者の戸上崇さんが語るソフトバンク提供のサービス「e-kakashi」とは
田畑やビニールハウスに設置したIoTセンサーが収集した環境データをAIが分析し、最適と判定した栽培方法を農家にスマートフォンアプリやPCを通して提案するサービス「e-kakashi(イーカカシ)...
パタゴニア直営店で気候変動対策をめぐるトークセッションイベント開催 1/19~2/9の期間 23店舗で実施/参加費・無料
米アウトドアブランド「Patagonia(パタゴニア)」の日本法人・パタゴニア・インターナショナル・インク日本支社(以下、パタゴニアジャパン)が、全国の直営店で「地方議員という選択。暑すぎた夏。...
衛星撮影された‟海の色”がマイボトルに!タイガー魔法瓶とスカパーJSAT「海のクレヨン」がコラボした真空断熱ボトル
環境への意識の高まりから、マイボトルを日常的に利用しているビジネスパーソンは多いのでは? 宇宙事業社であるスカパーJSAT株式会社が、衛星画像をもとに世界12カ所の海から色を抽出し、クレヨン職人...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう