キャッチコピーは商品やサービス、ブランドの価値をわかりやすく伝える、短い文章です。キャッチコピーの作り方ひとつで、ブランドへのイメージも商品・サービスの売れ行きも大きく変わる重要な役割を担っています。
本記事では魅力的なキャッチコピーの作り方を実例付きで解説。具体的なテクニックや身につけておきたいスキルも紹介します。これからキャッチコピーを検討したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 心に響くキャッチコピーの肝を実例付きで解説
- キャッチコピーが思い浮かばないときに役立つ12のテクニック
- キャッチコピー力を高める8つのスキル
株式会社ニトリの「お、ねだん以上。」に学ぶ、心に刺さる魅力的なキャッチコピーの条件とは?
心に刺さるキャッチコピーの条件を一言で表すなら、「商品やサービス、ブランドの特徴を端的に伝えられている」ことでしょう。
たとえば株式会社ニトリの「お、ねだん以上。」は、高品質の商品が安く手に入る、値段以上の価値・満足感が得られるということを、わずか8文字(句読点含む)で伝えています。
ニトリのキャッチコピーでは「句読点の使い方」「漢字とひらがなのバランス」にも注目したいです。
句読点を入れることで短いコピーにリズムが生まれています。「お、値段以上。」よりも「お、ねだん以上。」の方が文字が詰まった感じはなくて見やすいうえ、やわらかい印象も与えられます。
このように、キャッチコピーではどんな印象を与えたいか、細部までこだわり抜くことが大切です。
4種類のキャッチコピー
キャッチコピーは掲載する場所や目的、伝える内容により4種類に分けられます。それぞれの目的や用途、実例を紹介します。
興味付け、第一印象のための「キャッチフレーズ」
キャッチフレーズはユーザーへの興味付けが目的のコピーです。商品やサービス、ブランドなどの第一印象を左右する重要なコピーでもあります。
先述のニトリの「お、ねだん以上。」もキャッチフレーズです。ほかにもカルピスの「ピースはここにある。」「カラダにピース。」、JR東海の「そうだ 京都、行こう。」などが挙げられます。
具体的なアクションを促す「ボディコピー」
ボディコピーは商品やサービス、ブランドの魅力を具体的に伝えるコピーです。コピーというより「本文」といった方がわかりやすいかもしれません。たとえば本記事のタイトルをキャッチフレーズとするなら、今読んでいるこの本文がボディコピーにあたります。
先述の「お、ねだん以上。」のボディコピーにあたる文章は、ニトリの特設ページから確認できます。
>>「お、ねだん以上。」創造ストーリー|ニトリFun!|ニトリ公式企業サイト
企業・ブランドのトレードマーク「タグライン」
タグラインは企業が商品やサービス、ブランドを通して顧客にどんな価値を提供できるのかを伝える、短いコピーです。
たとえば転職エージェント大手として知られ、ほかにもさまざまな新規事業を展開する株式会社リクルートは、「まだ、ここにない、出会い。」をタグラインとしています。
転職で出会う新しい人々や仕事、まだ世の中にない新しいサービスを数多く提供してきたリクルートらしい、企業としての価値が一言で伝わるタグラインです。
企業・ブランドの理念を伝える「スローガン」
顧客に提供できる価値を示すタグラインに対し、「スローガン」は社内に向けたコピーです。企業としての理念や従業員・社会に対する約束を示すもので、企業理念を一言で表します。
リクルートなら「個の尊重ー Bet on Passion」がスローガンにあたります。従業員の主体性を大切にし、入社1年目から新規事業コンペに応募できる、従業員の独立を応援するリクルートらしいスローガンです。これをただのスローガンではなく、愚直に徹底することで、社内に浸透させることができます。
【5ステップ】心に刺さるキャッチコピーの作り方
心に刺さるキャッチコピーを作るためのテクニックはたくさんありますが、その前に、キャッチコピーの基本的な作り方を確認しておきましょう。この基本を押さえておかないと、結局は誰の心にも響かない、それっぽいだけのコピーになってしまいます。
- STEP1.ターゲットを明確にする
- STEP2.どんな悩みやニーズにアプローチするのか考える
- STEP3.たくさんのコピーを書いてみる
- STEP4.ユーザー目線で書いたコピーを見比べてみる
- STEP5.実際にユーザーに見てもらい、反応を確認する
- それぞれのステップの詳細を紹介します。
STEP1.ターゲットを明確にする
キャッチコピーを作り始める前に、誰に、何のためにメッセージを届けたいのかを考えましょう。キャッチコピーの目的とターゲットを明確にするのです。
「仕事も恋愛もがんばっている20代の女性」「子どもが生まれ、仕事と育児の両立に悩んでいる男性」など、ターゲットを明確にすることで、キャッチコピーにどんな言葉や表現を使うべきかが見えてきます。
たとえば男女には男性は論理的な思考が強く、女性は直感的な思考が強いという違いがあります。ターゲットが男性なのか女性なのかが明確になるだけで、論理で訴えかけるべきなのか感覚に訴えかけるべきなのかが見えてくるでしょう。
STEP2.どんな悩みやニーズにアプローチするのか考える
ターゲットを決めたら、彼らはどんな悩みやニーズを抱えているのかを考え、リストアップしてみましょう。
最終的には「キャッチコピーを書く商品やサービスで解決できる悩み、応えられるニーズ」を決めますが、まずは商品・サービスとの関連はあまり考えず、できるだけたくさんリストアップするのがポイントです。
たとえばターゲットが「子どもが生まれ、仕事と育児の両立に悩んでいる男性」であれば、次のような悩み・ニーズが考えられるでしょう。
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子どもがなかなか寝てくれなくて、自分の睡眠時間を確保できない
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仕事と家庭の板ばさみになり、ストレスが溜まっている
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ストレスと疲労で気持ちが落ち込み、人生が楽しくない など
STEP3.たくさんのコピーを書いてみる
ターゲットを決め、彼らの悩みやニーズをリストアップしたら、それに対するコピーを書いてみましょう。ここでは質にこだわらず、とりあえずたくさん書いてみることが大切です。
ただ、STEP2でリストアップした悩みやニーズのどれにアプローチするのかだけは意識しましょう。悩み・ニーズとコピーをそれぞれ対応させた方が、コピーのアイデアも浮かびやすくなります。
キャッチコピーの体で書くのが難しいなら、悩みやニーズに対して、商品・サービスでどんなアプローチができるのかを書いてみるだけでもいいでしょう。悩み・ニーズに対するアプローチから具体的なコピーへと、段階を踏んで発展させていけばいいのです。
たとえば「子どもが生まれ、仕事と育児の両立に悩んでいる男性」の、「子どもがなかなか寝てくれなくて、自分の睡眠時間を確保できない」という悩みに、睡眠サプリでアプローチするとしましょう。
この場合、睡眠時間が足りていないことでどんな悩み・問題が起こっているのかを掘り下げてみるのがおすすめです。次のような要領で、睡眠不足が続くと起こる悩み・問題をリストアップし、それぞれの問題にアプローチするコピーを書いてみましょう。
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睡眠不足で頭が働かなくなり、仕事が思うように進まない
→短くてもぐっすり、頭スッキリ! -
就寝時間が遅く、朝になってもなかなか起きられない
→短くても良質な眠りで、翌朝の目覚めを気持ちよく
ここではできるだけたくさんのコピーを書くことが大切です。最低でも十数個、できれば数十個はアイデアを出したいです。
STEP4.ユーザー目線で書いたコピーを見比べてみる
コピーを一通り書いたら、それをユーザー目線で見比べてみましょう。ユーザーの立場・気持ちになってコピーを眺め、思わず目をとめてしまったコピーがあれば、なぜ目をとめてしまったのかを考えてみます。コピー(文章)単位ではなく、単語単位で考えるのもおすすめです。
自分がユーザーと同じ立場・気持ちになったことがある場合、このプロセスは進めやすいはずです。自分でなくとも、その立場・気持ちになったことがある人にアドバイスをもらうのもいいでしょう。
先述の「子どもがなかなか寝てくれなくて、自分の睡眠時間を確保できない」という悩みにアプローチするコピーなら、まずは自分が睡眠不足だったときのことを思い返しながらコピーを見比べてみます。子どもがいる人や徹夜続きの同僚にチェックしてもらうのもいいでしょう。
STEP5.実際にユーザーに見てもらい、反応を確認する
自分や自分の身内(同僚や上司)はキャッチコピーを作る側であり、コピーを完全に客観視するのは難しいです。キャッチコピーの知識やスキルがあるからこそ、それが邪魔になり、ユーザー目線になりきれないこともあります。
量産したコピーをある程度絞り込んだら、実際のユーザーに見てもらい、反応を確認しましょう。街頭やWebでインタビュー・アンケートをしたり、2~3個のプロトタイプを作って公開してみたり、キャッチコピーの掲載媒体に合った方法でテスト・調査をします。
Web媒体に掲載するキャッチコピーなら、複数のパターンをランダムに表示し、ユーザーの反応を見る「ABテスト」がおすすめです。ABテストの進め方や精度を高めるコツは、こちらの記事で解説しています。
関連記事:ABテストとは?効果的なやり方のポイント・おすすめツール、検証ポイントまで解説
キャッチコピーの効果を高める12のコツ
特にキャッチコピーを初めて作る場合、どんな言葉や表現を使えばいいのか皆目見当が付かず、悩むばかりで筆が全く進まないということもあるでしょう。
ここからは、キャッチコピーにどんな言葉・表現を使えばいいのか、どう書けばいいのか、具体的なテクニックを12個紹介します。これらを意識することで、キャッチコピーの質が高くなるのはもちろん、筆も進みやすくなるでしょう。
数字を取り入れる
キャッチコピーに数字を入れることで、具体性が高まります。取り入れやすいのは販売数やユーザー数など、実績を表す数字です。
商品やサービスの利用前後でどんな変化があったのか、数字で示せないか考えてみるのもいいでしょう。たとえばダイエット関連の商品・サービスなら、実際の減量数や体脂肪率の変化などを調査し、コピーに盛り込むこともできます。
具体的なエピソードや実績を盛り込む
先述の「キャッチコピーに数字を取り入れる」というテクニックが有効なのは、商品やサービスの実績や利用により得られる効果が定量化され、具体的になるからです。
ここから一歩進んで、より具体的なエピソードや実績を盛り込むのもいいでしょう。たとえばダイエット関連の商品・サービスなら、減量数や体脂肪率の変化だけでなく、次のような方法も考えられます。
-
利用前後でのユーザーの変化を写真で伝える
-
実際のユーザーの感想や口コミを取り入れる
-
ユーザーにおすすめポイントを書いてもらう など
擬音(オノマトペ)を取り入れる
キャッチコピーにオノマトペを入れることで、具体的なイメージがわきやすくなるでしょう。たとえば睡眠関連の商品・サービスなら「スッキリ」「ぐっすり」など体感に訴えかけるものが、食品なら「あっさり」「こってり」「とろあま」など味覚に訴えかけるものが効果的です。
日本には古くから擬音(オノマトペ)の文化があります。1300年も昔に書かれた『古事記』にはすでにオノマトペが登場しており、もはや私たちの生活に欠かせない表現技法とすらいえます。使用感のイメージを具体的にイメージできるため、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
ユーザーにとってのベネフィットを意識する
キャッチコピーではユーザーにとってのベネフィットを意識しましょう。ここでいうベネフィットとは、「その商品やサービスを使うことでユーザーにどんなポジティブな未来が訪れるのか」を指します。
ここでは具体的な未来をイメージさせることが大切です。たとえばダイエット関連ならただ「痩せる」と書くのではなく、「きれいに割れた腹筋」「くびれ」などの言葉を使ったり、「夏が待ち遠しくなる」のように気持ちの変化をイメージさせたりするといいでしょう。
「アクションを起こさなかった場合の未来」を想像させる
ユーザーにとってのベネフィットとは反対に、その商品やサービスを使わなかった場合の未来、お試しや資料請求などのアクションを起こさなかった場合の未来を想像させるのも効果的です。
人間には新しく何かを得ることよりも、今あるものを失うことを避けようとする心理があります。「今ここでアクションを起こさなかったら失うもの」「得られるはずだった明るい未来」をイメージさせることも、効果的なアプローチ方法です。
起こしてほしいアクションを明確にする
キャッチコピーを書くときは、その目的を常に意識しましょう。目的を意識することで、キャッチコピーを見たユーザーにどんなアクションを起こしてほしいのかが明確になります。
ここでいうアクションとは、「購入」「申し込み」「お試し」「問い合わせ」「資料請求」などです。「購入」よりも「お試しや問い合わせの方がしやすいように、アクションを起こすハードルはそれぞれ異なります。
起こしてほしいアクションの内容とハードルの高さを明確にすることで、どんな言葉を使うべきか、ボディコピーにどのくらいのボリュームを持たせるべきかが見えてくるでしょう。
アクションのハードルを下げる
先述の通り、「購入」「問い合わせ」「お試し」などのアクションはそれぞれハードルの高さが違います。「購入」よりも「お試し」、それよりも先に「まずは問い合わせ・資料請求」というように、アクションのハードルを下げるのもいいでしょう。
高額な商品やサービスをいきなり購入してもらうのは難しいですが、無料お試しなら難易度が下がります。どんなに優れたキャッチコピーでも、商品やサービスの良さをすべて伝えることはできません。しかし、実際に使ってみてもらえば良さは伝わるはずです。
キャッチコピーを変えるのではなく、ユーザーに起こしてもらうアクションを変えるのも有効な戦略です。
意外性を演出する
ユーザーの思い込みや今までの常識などを否定し、意外性を演出するのも効果的です。「〇〇は間違っていた」「実験により本当は〇〇だったと判明」など、思い込みや常識を否定した後で、代案を提示してあげると説得力が高まるでしょう。
心理テクニックを取り入れる
キャッチコピーに心理テクニックを取り入れることで、それを見た人の感情に訴えかけやすくなるでしょう。
たとえば最初に目に入ったデータの方が後から見たデータよりも印象に残りやすいという「アンカリング効果」、人間はできたことよりもできなかったことの方が記憶に残るという「ツァイガルニック効果」などが、キャッチコピーに取り入れやすいでしょう。
アンカリング効果を取り入れて「売上No1」のような最も伝えたいデータをファーストビューに表示させたり、ツァイガルニック効果を取り入れて「どんなに運動しても痩せられなかったのに、1ヵ月で腹筋が割れた」のようなエピソードを盛り込んだり、心理テクニックを知っていればアイデアの幅も広がります。
心理テクニックを学びたい人にはこちらの記事がおすすめです。用途・目的別のおすすめ心理学本を紹介しています。
関連記事:目的別・心理学を学べる本26選!心理テクニックを活用できるようになろう
ユーザーの気持ちに沿って「疑問系」で問いかける
ユーザーのアクションや「続きが気になる」という気持ちを呼び起こすには、「疑問系」が役立ちます。「この機会に〇〇してみませんか?」「なぜ〇〇なのでしょうか?」のような文章は、ユーザーの好奇心や自分で考える気持ちを刺激し、具体的なアクションにつながりやすくなるでしょう。
ただ、疑問系は多用するとくどくなります。離脱率が高い箇所やアクションを促す部分など、重要なポイントで効果的に活用しましょう。
権威性をアピールする
人間の心理には知らない人が言っていることよりも、知っている人が言っていることを信じる傾向があります。
ここでいう知っている人とは有名人や著名人のことです。知らない人だったとしても、「学位や資格の保有者」「大学教授」など権威のある人の言葉は信頼を得やすいです。
書籍の帯に「YouTuberの〇〇さん推薦」「〇〇大学のxx教授が絶賛」のようなコピーが書かれているのを、誰しも一度は目にしたことがあるでしょう。これと同じで、権威ある人に推薦やおすすめポイントを書いてもらうことで、キャッチコピーの効果を高められます。
安心・安全をアピールする
「権威性をアピールする」のと近いですが、安心・安全をアピールするのも効果的です。人は知らないものや新しいものに警戒心を抱きます。その商品やサービスが安心して使えるものであることを証明する実験、権威ある人の推薦、ユーザーの声などを盛り込むことで、ユーザーの警戒心を解けるでしょう。
こんなキャッチコピーはNG!ユーザーが逃げてしまう広告とは?
ここまで紹介してきたテクニックはどれも効果的ですが、やりすぎると逆効果になることもあります。キャッチコピー作りで気をつけたいこと、やってはいけないことを3つ紹介します。
不安を過度に煽る
不安を過度に煽るようなコピーはユーザーの警戒心や猜疑心を高めてしまいます。キャッチコピーの12のテクニックに「アクションを起こさなかった場合の未来を想像させる」というものがありましたが、これもやりすぎると逆効果になります。
情報に虚偽・誇大がある
キャッチフレーズやボディコピーの情報に虚偽・誇大があってはいけません。虚偽・誇大な情報やコピーで購入や成約が増えることもあるかもしれませんが、それが明るみに出ればユーザーや社会からの信頼を失います。
既存ユーザーの解約だけでなく、商品やサービスの評判が悪くなり新規獲得が難しくなるだけではなく、法律に抵触する可能性もあります。
コピーは良くてもデザインやフォントが悪い
キャッチコピーの内容がどんなに良くても、テキストのフォントや掲載媒体のデザインが悪くては効果が得られない可能性もあります。最近はユーザーのリテラシーが高まり、いかにも広告らしいデザイン、素人感のあるデザインが避けられやすくなりました。
デザインやタイポグラフィ(フォントのデザイン)について学ぶか、プロに依頼するか、デザインにもこだわることでキャッチコピーの効果が高くなります。
デザインやフォントについて学びたい人には、こちらの記事がおすすめです。
関連記事:デザイン本19選をレベル・目的別に紹介!デザインを効率的に学ぶ方法、本の選び方も解説
キャッチコピー作りに役立つ8つのスキル
キャッチコピーを作るためには様々なテクニックがあると感じた方も多いのではないでしょうか。最後に、キャッチコピーを作る際に役立つ8つのスキルを紹介します。
1.コピーライティング
コピーライティングはその名の通り、キャッチコピーを書くための文章力のことです。本記事で紹介したテクニックもコピーライティングのスキルですが、より深く勉強するのもいいでしょう。
以下の記事ではコピーライティングを含む、ライティングが学べるおすすめ本を紹介しています。
関連記事:ライター・ブロガー必読!ライティング本15選+作家3人を目的別に紹介
2.「文章の型」に関する知識
本格的なライティングを学ぶ時間がないという場合も、最低限の「文章の型」に関する知識は身につけておくといいでしょう。どんな順番で何を書くべきかという型を知っているだけで、文章の説得力は大きく変わります。
「結論→理由→具体例→再度結論」の順で情報を伝えるPREP法は、ボディコピーに最適です。PREP法はこちらの記事を読めばすぐに身につけられるでしょう。
関連記事:PREP法・SDS法とは?ビジネスシーンで論理的に伝える具体的なフレーズを紹介
3.引き算する力
キャッチコピー、特にボディコピーを書くときは、あれもこれも伝えたいと情報量が多くなりがちです。
しかし、文書がボリューミィすぎると、ユーザーは「読みたくない」「読むのが面倒だ」と感じてしまいます。多くのことを伝えようとした結果、結局何も印象に残らないということもあります。
文章を書くときは足し算よりも「引き算」を意識しましょう。
4.広くアンテナを張る力
ここから紹介する5つのスキル・力は、キャッチコピーを考えたりブラッシュアップしたりするときに役立ちます。
「広くアンテナを張る力」はターゲットを見定め、彼らに響く言葉を選ぶために役立ちます。いろいろな人から話を聞いたり、さまざまな市場のトレンドにアンテナを張ったりすることで、どんな人がどんな感性を持っているのかが見えてくるでしょう。
5.共感力
キャッチコピーを考えたり書いたコピーを見比べたりするときは、ユーザーの立場や気持ちになることが大切です。「共感力」を高めることで、ターゲットの感じ方や考え方がわかるようになり、よりユーザー目線のキャッチコピーを作れるようになるでしょう。
6.傾聴力
「傾聴力」とは耳だけでなく全身を使い、目の前の相手の話を聴いていることを示す力です。
身振り手振りや目線、頷き方などにまで気を配り、相手が話しやすい環境をつくります。自分の解釈と相手が伝えたかったことにズレがないか不安なときは、「私はこう感じたんだけど、あなたの伝えたかったことと合ってる?」と確認するのもおすすめです。
傾聴力を高めて相手が話しやすい環境をつくることで、相手の心の奥にある本音を引き出しやすくなるでしょう。ターゲットから直接ヒアリングできる機会があったら、傾聴を意識してみてください。
7.分析力
キャッチコピーやそのテスト版を公開したら、申し込みや購入数の変化、Web公開ならクリック率やCVなどのデータを集めて分析しましょう。データに基づき改善を重ねることでより良いキャッチコピーが作れるはずです。
分析ツールの使い方やデータの見方や分析方法も、基本は早めに学んでおくと役立ちます。
8.検索力
個人のブログや口コミサイト、SNSにはユーザーの本音が溢れています。ユーザーと直接話したりアンケート調査をするよりも、Webでリサーチする方がコストも手間もかかりません。
ユーザーに直接ヒアリングするのも大切ですが、このような機会が得られないこともあります。コストを抑えるためにも事前調査のためにも、Webでユーザーの生の声を集められるよう、「検索力」を高めておくとキャッチコピー作りに活かせます。
心に刺さるキャッチコピーを作るには、経験と思考を積み重ねることが大事
- キャッチコピー作りでは「ユーザー目線」が大切
- キャッチコピーが思い浮かばないときは、12のテクニックを意識してみよう
- テクニックよりも大切なのが、自分の頭で考え続け、感性を磨き続けること
キャッチコピー作りでは、誰のどんなニーズに応えたいのか、ターゲットを明確にすることが大切です。ターゲットを明確にし、彼らの立場や気持ちになって考えることではじめて、心に刺さるコピーが作れます。
ただ、これだけでは具体的なキャッチコピーが思い浮かばないこともあるでしょう。キャッチコピーを初めて作るときは特にそうです。そんなときは「数字や実績、具体的なエピソードを入れる」「心理テクニックを活用する」など、本記事で紹介した12のテクニックを意識してみましょう。
ただ、これらはあくまでテクニックに過ぎず、本質とはいえません。
どんな言葉が人の心を動かすのか、苦心して言葉を紡ぎ続けてきた経験、ターゲットの気持ちを推し量り続ける思考こそが、魅力的なキャッチコピーを作る土台となります。
より良いキャッチコピーが作れるように、経験と思考を積み重ね、自らの感性を少しずつ磨いていきましょう。
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